早稲田駅前で落ち合った
プロデューサーOくんから、10年前の散歩コースをもう一度まわってみて、そこがどれだけ変わったかを見てみる散歩というのはどうだろうかと言われた。なるほど、それはおもしろい。それでは、散歩ガイドとして最初に行ったコース「早稲田でワンコインのランチをいただき、梯子坂へ歩く」はどうだろう。それにしても、もう10年たったのか。
午前10時、プロデューサーOくんと早稲田駅前のファミリーマートで待ち合わせた。
最初から10年前とは変わっている。ファミリーマートがあった場所は以前は成文堂という書店だった。早稲田で待ち合わせというと、この書店をよく利用したものだ。
最初の散歩は2005年10月31日、月曜日。11時に早稲田大学の大隈講堂の前でプロデューサーのNくんと待ち合わせをした。
ここで待ち合わせをしたのには理由があった。プロデューサーNくんの出身大学が早稲田大学で、かつて大学近くに住んでいたからという理由、そして、当時の僕が早稲田に住んでいたという理由からだ。初めての散歩だから、お互い土地勘があったほうがいいかもしれないと考えたのだろう。
実はこの初めての散歩は、ガイドとしてどういう記事を書くか、プロデューサーNくんと、打ち合わせを兼ねたものだった。
それまでは、下関マグロという名前で「フェチ」というサイトのガイドをやっていたのだけれど、諸事情で閉鎖。改めて散歩ガイドをやってくれないかと言われたのだ。
しかし、散歩の記事をどう書いていいものか、僕も手探りだった。一度、Nくんとはオールアバウトのオフィスで打ち合わせをして、会うのは二度目。もちろんいっしょに散歩をするのは初めてだ。僕は要領がよくわからず、デジカメでNくんがニコニコ笑う画像や自分を一緒に入れ込んだ、自画撮りなどをした。このNくんが映っている大隈講堂横の場所は今はこんなふうになっていた。
喫煙所だ。10年前だって、喫煙に対してはけっこう厳しかったように思うが、それでもまだ、こういった喫煙所はなかったはずだ。
10年前の僕はまだ煙草を吸っていた。完全にやめたのは、散歩をはじめてから数年後。一緒に散歩をしたプロデューサーは皆、煙草を吸わない人だったがOくんだけは喫煙者だ。
さて、10年前の散歩同様、今回もまずは「キッチンミキ」に向かおう。グランド坂をのぼると見えてくる。これが外観。
2005年に撮影した画像と見比べても、自販機や植木などの配置は同じだった。入り口にメニューがあるのも昔のままだ。
そして、こちらが今回うかがった時のもの。黒板のメニューに新しいものも増えているね。ハンバーグの種類が豊富だ。
ただ、前回はかわいいイラストで、「ミキランチ」をアピールしていた。
そう、ここは「ミキランチ」が有名。Nくんもとにかく、ミキランチがおすすめだと力説していた。もちろん、10年後の今も、変わらず、ミキランチ推しだ。
さて10年後、僕とOくんが、店内へ。どうやら開店と同時だったらしく、テーブル席へ。10年前はカウンターだったな。僕もOくんもミキランチを注文。以前来たとき、Nくんは僕がミキランチを注文した時、「えーっ、大盛りじゃなくていいんですか?」と言ったのをよく覚えている。今回は僕がOくんに「大盛りじゃなくていいの?」と聞いてみた。「あー、もう大盛り無料でもたのまなくなりましたね」とOくん。
ほどなく、ミキランチが到着。あー、これこれ。変わりないなぁ。
フライの大きさ、ご飯の量など、10年前のままだ。味も変わりなくおいしい。が、なにか違和感のようなものを感じた。何かが違う。というわけで、10年前の画像と比較してみた。
上の10年前の写真、裏側にはちゃんとスパゲティがあるのだけれど、ロースハムがない。かわりに、メンチカツの下にマカロニサラダが見える。たしかに、10年前のメニュー説明(かわいいイラストのやつ)にはロースハムの表記はない。それに対して、今のメニューにはロースハムがある。つまり、ロースハムが加えられながらも10年前と同じ価格ということだ。これはすごい。
Oくんもこれまで、散歩で食べたなかでもいちばんの感想を言ってくれた。「近所にあったら、通いそうな店ですね」と。実際、僕もこのキッチンミキをNくんに教えてもらって以来、よく来たものだ。
ちなみに大食いの知り合いを連れて行って、大盛りと普通盛りの比較をしたことがある。2007年のことだ。
大盛りの迫力はすごいね。これで100円増しなので、食べ盛りの学生さんなんかは大盛りになるはず。
この10年、何度もメディアで紹介されたキッチンミキ。最近では、高田純次のお散歩番組「じゅん散歩」にも登場していた。それでわかったのは、1963年(昭和38年)が創業で、店名の由来は、現在の店主の母親で初代の君江さんとおっしゃって、その「キミ」をさかさまにしたものなんだそう。
さて、おなかもいっぱいになったことで、早稲田を散策しよう。