2016年からスタート「ジュニアNISA」
今年からスタートした「ジュニアNISA」には、税金の優遇以外にも様々なメリットがあります。ぜひ積極的に活用して、お子さまの成長に合わせて資産の成長も目指しましょう。ジュニアNISAとは
ジュニアNISAを活用すべき理由
成人用のNISAと同様の仕組みで投資から得られた利益にかかる税金が非課税になる制度です。違いとしては、子ども名義の口座で親権者等が代わりに投資を行うところです。
ジュニアNISAの専用口座を開設して、その口座で株式や投資信託などを買うと、値上がり益や配当金・分配金に対して税金がゼロになります。ジュニアNISA口座で投資できるのは、子ども一人あたり、1年間に80万円までで、上限は5年間で400万円です。
つまり、80万円の元手でどんなに大きく利益が出て儲かったとしても、税金はゼロのまま 。これは、利用しない手はありませんよね。さらに、このジュニアNISAには積極的に活用すべき理由があります。
ジュニアNISAを活用すべき3つの理由
- 長期間にわたって株式や投資信託に非課税で投資できる
- 子どもの金融教育につながる
- 祖父母からの贈与資金で投資すれば、確実な相続対策になる
では、1つずつ、確認していきましょう。
1.長期間にわたって株式や投資信託などへ非課税で投資できる
このジュニアNISAでは、0歳の赤ちゃん名義でも口座を保有できます。また18歳まで引き出しが制限されていることから、お子さまの年齢が低ければ低いほど、必然的に長期投資をすることになります。長い期間をかけて、適切な対象に分散投資すれば、損をする可能性を減らしたうえで、資産を大きく増やせる可能性があります。2.子どもの金融教育につながる
ジュニアNISAへの投資を機会に、家族で経済の勉強をしてはいかがでしょう。子どもも小学校高学年になれば、社会への興味や関心を持ち始めます。毎年、家族で「ジュニアNISA会議」を開き、投資方針を話し合ってみるのも良いかもしれません。ご家庭で話し合いの場を持つことで、子どもの経済や社会の仕組みに対する理解が深まり、自然な形での金融教育を進めることができます。
また、口座の管理を途中で親から子どもに引き継ぐことも大切です。過去の評価額の推移を確認するなど、自分の頭で考えることで、長期的な視点を持ち経済的な感覚を養うことが期待できます。
一方、親にとっても、子供の教育に活かそうとすると、親自身の学びにもなります。また、投資経験がない人でも、退職金や相続資金を受け取って、まとまったお金で資産運用デビューするよりは、少額から投資に取り組むことで経験を積むきっかけにもなります。
3.祖父母からの贈与資金で投資すれば、確実な相続対策になる
おじいちゃん・おばあちゃんが知らないうちに子どもやお孫さん名義で預金口座を開設していたというケースもあるでしょう。しかし、祖父母から孫の口座に資金を移して預けておくだけでは、名義預金として認定されてしまい、結果的に相続税を軽減するための相続対策にならない可能性があります。名義預金とは、家族名義の口座で預金されているものの、実質的には亡くなった方(被相続人)が管理しているとみなされる預金をいいます。相続の申告漏れを指摘されるのも、この名義預金である場合が多くあります。ジュニアNISAを使えば、管理者である親権者などがお子さんに代わって投資をすることで、確実に口座名義人であるお孫さんの資産として認められ、相続対策を進めることが可能です。日本証券業協会の「ジュニアNISAに関するQ&A(平成27年12月15日第3版)」によると、ジュニアNISA口座への資金拠出は、孫名義の資金であることを金融機関側が確認した上で、投資を行うことになるため、「名義預金ではない」という証明になるからです。
また、ジュニアNISAを通じて、お孫さんの金融教育にも協力できる点もメリットと言えます。
ジュニアNISAのデメリット、注意点とは
ジュニアNISAは投資行為なので、資産を必ず増やせるわけではありません。途中で利用する金融機関の変更ができない点や投資商品を入れ替えたり変更できないという制度の特徴を考えると、商品の選択がすごく重要になります。また制度自体の複雑さもあり、現時点では2023年までの期間限定の制度であることを考慮すると、非課税期間の延長や制度の恒久化など今後の制度改正にも注目しておく必要があります。
ジュニアNISAの利用にはこのように注意点もありますが、上手に使えば、様々なメリットがあります。少額でも利用出来る制度ですので、お子さんがいる方はぜひ活用してみてはいかがでしょうか。