雑貨/ハンドクラフト・工芸

「まるごとにっぽん」ワンカップコレクションがすごい

2015年12月に浅草にオープンした「まるごとにっぽん」は、日本の魅力を一堂に集めた複合施設。「見て・食べて・持ち帰れる」をキーワードに、全国各地の食品、工芸品、伝統芸能などを楽しめるショップやレストラン、多目的スペースが揃っています。様々な商品がひしめく店内で、今回惹き込まれたのは色とりどりなワンカップでした。

江澤 香織

執筆者:江澤 香織

雑貨ガイド

つくばエクスプレスの浅草駅の近くです。

つくばエクスプレスの浅草駅の近くです。

 

日本全国から食や工芸が集まる!各地の情報発信の場

浅草といえば、外国人も多く訪れる観光地ですが、浅草で日本全国の風土を体感できる複合施設「まるごとにっぽん」がオープンしました。全国各地から約50店舗が集結!野菜、和牛、魚介などの生鮮食品を販売する店や、郷土料理が食べられるレストラン、その土地の工芸品を扱う店など、ビルの1階から4階に様々な店がひしめいています。3階はイベントスペースとして各地域の情報を発信したり、IUターンの相談などを行う窓口もあります。

入り口入ってすぐ左です。

入り口入ってすぐ左の「まるごとにっぽん 蔵」は、各地の食品や調味料、お酒が揃っています。


ビル全体が盛りだくさん過ぎるので、まずは行ってみることをおすすめしますが、今回は1階入ってすぐにある「まるごとにっぽん 蔵」スペースに注目してみました。全国津々浦々の食品、調味料、お酒などを扱う専門スペースです。特に、日本酒の品揃えがすごいのです。

ここのバイヤーを務める藤生安津子さんは、華奢で落ち着いた雰囲気の女性ですが、なんと前職は酒蔵の蔵人さん!お酒に熟知し日本酒愛のある彼女が選んだお酒なら、間違いはありません。美味しいお酒であるのはもちろんのこと、関東初出店という蔵元も多く、飲めばその土地へ行ってみたくなるような、ストーリー性を持った酒蔵のものを選んでいるそうです。また、兵庫・灘のお酒「福寿」の搾りたて生酒の量り売りをしていることも特徴的です。量り売りなんて、なかなか体験できない楽しさ!

「浅草は外国人客も多いので、日本文化を身近に感じてもらい、地方にも興味を持ってもらえるようにセレクトしています。またホテルに持ち帰っても気軽に飲めるよう、一升瓶は置いていません。テーブルワインとして日本酒に長く親しんでもらえたらと思っています」と藤生さん。

東京にあまり出回っていない小さな蔵元が多いです。

東京にあまり出回っていない小さな蔵元が多いです。右下は蔵直送の生酒量り売り!


他では見つからないお酒が豊富。そしてワンカップのセレクトがユニーク

そして、よくよく目を凝らすと、ワンカップの種類がかなり多い。しかも藤生さんならではの女性目線で選んだ、可愛いものが多い。現在20種類以上あるそうです。ここでワンカップの良さについて力説させてもらうと、こんなに便利なお酒のパッケージは世界中どこにもないんじゃないかと思います。手軽に持ち運びできて、旅先でちょこっと飲みたいというのにちょうどいいサイズ感。瓶は丈夫で割れにくいし、耐熱だから熱々に温めることだってできてしまう。瓶の柄が可愛ければ、飲み終わった後の活用も楽しめるのです。可愛いワンカップなら、女性が持ち歩いていても恥ずかしくないですし、お酒の初心者でも手を出しやすい。誰かにプレゼントしたり、旅のいいお土産にもなります。

厳選したワンカップがこれだけ揃っている店も、そうそうないかもしれません。藤生さんも個人的にワンカップは大好きだそうで、旅先で、その土地らしいワンカップを見つけるのが楽しみだとのこと。数あるワンカップの中から独断で選んだいくつかをご紹介いたします。

ワンカップのイメージを覆すかわいさ。

ワンカップのイメージを覆すかわいさ。

旭山動物園とコラボしたワンカップ

まずは思わず手に取ってしまいそうなこちら。ひゃー、可愛い。北海道旭川の高砂酒造「ずZOOっと旭山」です。旭川といったらなにはともあれ旭山動物園ですよ!海、陸、森の動物たちが楽しそうに描かれたカップです。絵柄は3種類。動物好きの誰かにプレゼントしたくなりますね。あとこれ、プラスチックのフタが付いているのもミソ。これだと飲みかけでもフタして仕舞えますよね。あんまり飲めない人でも安心。精米歩合60%の純米酒で、北海道産の米「きらら397」を使用。日本酒度+3のほんのり淡麗辛口。

ご当地らしさが感じられる絵柄のワンカップたち。

ご当地らしさが感じられる絵柄のワンカップたち。


ご当地感を彷彿とさせるワンカップ

さて次は、その土地を彷彿とさせる絵柄で、旅心くすぐるワンカップたち。一番左のうさぎのような鹿のようなキャラクターが描かれたものは、埼玉県深谷の滝澤酒造「菊泉 ふっかちゃんカップ」。ふっかちゃんとは深谷市のゆるキャラで、深谷ネギをアピール。胸には市の花であるチューリップが飾られています。精米歩合70%の本醸造。埼玉県産米「彩のかがやき」を使用。ほんのり甘い香りで味わいはすっきり。

お隣のりんご柄は青森県弘前から。りんごの街青森ならではの、りんごが散りばめられたワンカップです。ちなみにお酒はりんご味ではありません。カネタ玉田酒造店の「玉川カップ」本醸造。精米歩合60%で青森県産米の「華吹雪(麹米)」と「まっしぐら(掛け米)」を使用。日本酒度+2で、熱燗にぴったりの優しい味わいです。

その隣りは兵庫県の灘にある神戸酒心館から「福寿 神戸カップ 匠」本醸造です。精米歩合70%の正当派灘の酒。こちらも燗酒がおすすめだそう。神戸らしい、ちょっとレトロな港の絵が描かれていて、旅心を誘われます。神戸に無性に行きたくなりますね。

一番右は、民話「ぶんぶく茶釜」に出てくるたぬき!群馬県館林にあるその名も分福酒造の「たぬきワンカップ」です。館林には、ぶんぶく茶釜ゆかりのお寺があります。お寺には茶釜が所蔵されていて見学も可能。またたぬきコレクションの展示もあるらしいです。これは気になる!分福は「福を分ける」という縁起の良い意味もあるので、こちらもプレゼントに良さそうですね。ほっこりしたたぬきの絵柄が可愛いです。精米歩合60%の本醸造を2年間瓶貯蔵して出荷。素朴な辛口で、冷から燗まで幅広く楽しめるお酒です。

東郷青児のイラスト入り。

東郷青児のイラスト入り。


マニアに受ける、東郷青児の絵柄入りワンカップ

さてさてこちらもなかなかレアなワンカップ。日本を代表する洋画家・東郷青児の絵が描かれています。昔の喫茶店などでときどき見かける絵、ファンにはたまらないですね。静岡県由比の英君酒造「英君 グラスカップ」。精米歩合65%で、お米は五百万石とひとめぼれを使用。すっきりキレのよい味わい。磨りガラスにアンニュイな女性が描かれており、独特の雰囲気を醸し出しています。ピンク、イエロー、ブルーの3色あって、絵柄は少しずつ違います。

九州のお酒。右は焼酎。

九州のお酒。右は焼酎。


九州からは、焼酎ワンカップも!

左のお祭り感のあるカップは、佐賀県唐津の小松酒造「万齢 唐津ひきやまカップ」。精米歩合68%で山田錦を使用した純米酒。やや濃醇な辛口で、濃い味の料理に合い、燗酒に向くそうです。唐津の有名なお祭りである「唐津くんち」の絵柄ですね。

右側は、これだけ焼酎です。鹿児島県薩摩の軸屋酒造「四六の権 カップ 焼酎」。サツマイモを使った芋焼酎で、お酒がカップの半分くらいしか入っていないのは、お湯割りや水割りで飲んで欲しい、という配慮から。飲み方の参考に目盛りも付いています。芋の甘みがしっかり残った、力強い味わい。

モダンなデザインもありました。

モダンなデザインもありました。


モダンだけれど昔ながらのデザイン

しゅっとしたシンプルなデザインのワンカップは、福岡県八女の高橋商店「繁桝」。精米歩合73%、福岡県産米「夢一献」を使用した本醸造酒です。すっきりとフルーティーな味わい。最近作ったデザインなのかと思いきや、20年前からあるそうで、当時は花柄などが多かったときに、あえてチャレンジしたデザインなんだそうです。20年前に英字は確かに珍しいかもですね。

凍らして飲む、梅酒のワンカップ。

凍らして飲む、梅酒のワンカップ。


梅酒のワンカップもかわいい

日本酒はちょっと苦手という方、梅酒のワンカップもありました。冷凍庫の下段にある、兵庫・神戸酒心館の「福寿 凍結梅酒」。フレッシュで甘酸っぱい梅の風味。凍ったものをスプーンで削りながら混ぜると、スムージーのように楽しむこともできます。梅の花の絵柄もほのぼのとしていいですね。

他にもまだ色々あるのですが、とても全部は紹介しきれないので、ぜひ店を訪ねてみて下さい。たとえワンカップでも、値札と一緒にお酒の説明が丁寧に書かれていて、買うときの参考になるのが嬉しいです。蔵元の背景やその土地の文化をきちんと伝えたい、という藤生さん。ワンカップといえど決して手を抜かない、熱い想いを持った、日本酒愛溢れるお店です。


まるごとにっぽん
東京都台東区浅草2-6-7
Tel 03-3845-0510
https://marugotonippon.com

1F まるごとにっぽん 蔵
Tel 03-3845-6905
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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