今度こそは!がついてまわる家づくり
家づくりは就職や結婚よりも希望に通りにいかないことが多いかも知れません。それは選択肢がたくさんあって「今度はあの設備を入れよう」とか、「もっと大きな窓にすれば」など、今度こそは!が付いて回るからです。
そして住んでいく年数によってもその考え方や判断は変わっていくものです。だからその失敗談やミスを許す寛容さと、そのミスを楽しさに変えるアイデアをもち合せたいものです。
そう思えるような家づくりをするには、思考すべき10ヵ条があります。
-思考すべき10ヵ条-
1ヵ条 … 家づくりは家族の歩みを考えること
2ヵ条 … 家は選ぶものではなく、つくっていくものであること
3ヵ条 … 時間を味方にする家をつくること
4ヵ条 … 建てた喜びより、使い込んでいく喜びを大切にすること
5ヵ条 … 1ヶ所でもよいので、ワクワクするスペースをつくること
6ヵ条 … 生活スタイルをはっきりさせるためにも、コストバランスを明確にすること
7ヵ条 … 家づくりにも、ライフサイクルコストの視点を持つこと
8ヵ条 … 見えないものはより慎重に確認すること
9ヵ条 … 質問する箇所をおさえておくこと
10ヵ条 … 依頼先との信頼関係を築くこと
この10ヵ条をさらに詳しくみていこう。
1.家づくりは家族の歩みを考えること
結婚してからの歩みはもちろん、小さいころから育った環境による違いも、家づくりにおいて夫婦の意見は違います。間取りのプランに入る前になんとなく散歩でもしながら話し合うことです。間取りプランに入り一気に感覚の違いが吹出すことがあるからです。2.家は選ぶものではなく、つくっていくものであること
家づくりではお互いの人生観や家族観が質問されます。それは今まで考えても来なかった質問が浴びせられます。そこで人生に対し、家族に対し考えることになるので、ただ単に購入してしまえば予算内で手に入れただけの結果になりあまり質問をあびせられることはないかも知れません。3.時間を味方にする家をつくること
人の生き方の姿勢をつくるのは、毎日の時を刻む日々の週間です。そのプラットフォームになるのは住まいです。住まいを通して日々の生活を確かなものにして、自己の個性を確立したいものです。4.建てた喜びより、使い込んでいく喜びを大切にすること
私達の活力の源になってきたのは手に入れることでした。しかし手に入れるとその後の使い方はとても貧困のように感じます。使い方の哲学を持つことで住まいはより豊かさをもたらしてくれるように感じます。5.1ヶ所でもよいので、ワクワクするスペースをつくること
空間に立体感をもたせ、劇場の様にみせる仕掛けも大切です。そういったところに子どもは居場所をつくったりして遊ぶものです。6.生活スタイルをはっきりさせるためにも、コストバランスを明確にすること
「あれもしたいこれもしたい」となると、だんだんと床面積が増えコストも上がります。もしこれをプラスデザインと考えるなら、反対に一度「これはいらない」「これは代用品で」といった具合にマイナスのデザイン思考をしてみることです。意外と生活スタイルがぼんやり見えてくることがあります。7.家づくりにも、ライフサイクルコストの視点を持つこと
家族の形は5年ごとに変化していきます。最終的にもしかすると夫婦2人になる可能性もあります。必要以上の設備を導入すると後々ランニングコストで予想以上の出費が出る可能性があります。身の丈以上のことは考えないことです。8.見えないものはより慎重に確認すること
土の中、熱,風、光、音、臭いなど全て見ることはできません。だからより慎重にチェックしておくことで住まい心地は大きく変わるはずです。9.質問する箇所をおさえておくこと
家づくりに一番重要なところは、地盤と基礎と躯体です。ここだけは質問する項目を調べておくことです。10.依頼先との信頼関係を築くこと
施主はもちろん設計士でも職人でも自分で作ったものは誰でも大切なものです。その心の交流を重ねて信頼関係を築いていくことです。信頼される人間にとってこれ程うれしいことはないはずです。