イヤフォン選びと音の良し悪しの関係

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アコースティックエフェクト「YSM-01」36720円(税込)

イヤフォンの音の良さは、あまり文章で語っても意味がない気がしています。こうやって、製品を取り上げるということは、その音が「良い」とガイド納富は思っているということで、でも、その「良い」を言葉で伝えようとすると、「高音の抜けが良い」とか、「低音が充分に出ている」とか、「歪みが少ない」とか、「音の味付けが少なく、クリアな音質」といった、どこかで聞いたような表現になってしまいます。もちろん、今書いた言葉は、今回紹介するアコースティックエフェクトのイヤフォン「YSM-01」について感じた嘘のない言葉ですが、でも、何も伝えていないように思えるのです。
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左は、ケーブルが着脱できて、純銀製コイルを使っている最上位機種「YSM-04/RS」、右はケーブルは交換できないがコイルは純銀製の「YSM-02/S」。

いや、もちろん、音は凄く気に入っています。メーカーのご好意で全ラインアップをお借りして、散々聴きまくって、その上で音では2番目に好きだと思ったのが、ラインアップでは最も安価な「YSM-01」でしたし、最も使いやすく、装着感が良かったのも「YSM-01」でした。音としては、実は「YSM-04/RS」という,最も高価なモデルだったのですが、その差はそれほど大きなものではありませんでしたし、とてもクリアで華やかに聴こえる「YSM-04/RS」と、落ち着いた聴き飽きない「YSM-01」という感じで、どちらが良い悪いというものではありませんでしたから、選ぶのはそれほど難しくはなかったのです。

まあ、実際のところ、内部のドライブはボイスコイルの材質が銅線か純銀線かが違うだけで、その上で、ハウジングの大きさやケーブルの着脱機能の有る無しといった違いが組み合わされたラインアップなので、全4種類のラインアップには、音の方向自体には大きな差はないのです。後はもう、どういう風に使いたいか、というのが選択のポイントになります。ガイド納富は、仕事中や移動中といった「ながら聴き」を中心に使いたいので、音は繊細過ぎない方が良いし、華やかさよりも落ち着いた感じの方がありがたいので「YSM-01」を選びました。もう一つ、決定的な理由があるのですが、それは後述します。

触るだけで右用か左用かわかる便利さは何ものにも替え難い

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アルミダイキャスト製でネジ留めされている重厚なパッケージ。

アコースティックエフェクトの「YSM-01」は、独自開発の完全国産フルレンジドライバーユニットをアルミ削り出しのボディに搭載。ドライバ以外も、ケーブルからイヤーパッド、パッケージから付属品まで、全てが国産という製品。ボディはちょっと武骨というか、質実剛健な佇まいだけれど、それも含め、かつてオーディオに夢中になり始めた小学生のころに憧れた名機の質感を思わせて、ちょっとドキドキします。
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パッケージには本体やイヤーパッドの他、SIWA製のポーチなどが付属する。また、別途、周波数測定グラフや説明書が入った封筒も付属する。

イヤーパッドは半球状のシリコン製のもの。ややしっかり目の質感のもので、ハウジング部分を少し覆うようになっているため、全体がしっかりと耳の中に収まる感じがいいです。ラインアップの中でも、最も小振りのボディだからこその、耳に入れたまま歩いた時の安定の良さです。ケーブルは張りのあるタイプで絡まりにくいと感じています。
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ケーブルと本体の付け根部分にポッチがある方が左。触るだけで分かるから、左右が簡単に判別できる。

そして、ガイド納富がとても気に入っているのが、LRの表示です。実は、この「YSM-01」にはLRの刻印は有りません。その代わり、L側のケーブルとボディの付け根部分には小さなポッチがあって、触ればどちらがLかRか分かるようになっているのです。これが本当に便利なのです。歩きながら装着する時でも、見て確認する必要がないので、素早くLRを間違えずに装着できます。暗い中でも大丈夫だし、老眼の目でも関係なく使えます。ケーブルが着脱できるモデルにはLRが書いてあるだけなので、ガイド納富は、ケーブルが着脱できる方をとるか、LRが分かりやすい方を取るかでとても悩んだ揚げ句、日常の使い勝手を選びました。

付属のSIWA製のポーチがイヤフォン用ポーチの常識を変えた

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付属の周波数測定グラフ。注文して作ってもらったので、特別に「納富さんモデル」になっている。とても好みの音に仕上がったような気がする。

これはアコースティックエフェクトの製品全体に言えるのですが、この製品の大きな魅力の一つは、パッケージと付属品にあります。まず、パッケージがアルミダイキャスト製の重厚なもので、手に入れた喜びを充分感じられるものになっているのが、とても良いと思うのです。しかもネジで留められていて開けるのにちょっと手間がかかるのも嬉しいのです(このネジももちろん国産です)。そして、注文の製品毎に周波数測定を行って、その周波数測定グラフを付属するというサービスも行っています。そのグラフの内容を読み取れなくても、個体差があるのが当たり前のイヤフォンですから、自分だけのもの、という気持ちが強調される良いサービスだと思います。
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SIWA製の専用ポーチは、マチが無い平たいもの。ここに、ケーブルを円状に巻いて、そのまま差し込みように入れると、出した時にケーブルが絡まらない。デザイン的にも申し分ないポーチなのだ。

さらに、付属する携帯用ポーチは、このガイド記事でも何度も紹介している、水に強い新しい和紙ナオロンを使ったアイテムを作っているSIWAのものなのです。このポーチだけでも一本レビューが書けてしまうような製品ですが、この、イヤフォン用のポーチとしては珍しいマチの無い薄いポーチが、イヤフォン用として最適だったのです。ケーブルを円を描くように丸めて、そのままポーチに入れると、巻いた円の形がそのまま保持されるため、ポーチの中でケーブルが絡まることがありません。なので、そのまま取り出して、ボディ側を持てば、ぱらりとケーブルが解けるので、指先で左右を確認して耳に差し込み、プラグをiPhoneなどに差し込めば、すぐに音楽が楽しめます。この一連の流れがスムーズで、これまでにない体験でした。

ガイド納富の「こだわりチェック」

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質実剛健で少しだけ重いボディが、耳の中での落ち着きがとても良い。

ボディがコンパクトだけれど金属製である程度の重さがあるせいでしょうか。装着した時の収まりと、歩いている時のフィット感というか揺れない感じが、他のイヤフォンにはなかった感触です。この安定感と、クセの無い音質、メリハリが適度に利いて輪郭がクッキリし過ぎない感じなど、何かをしながら聴くのに最適だと、ガイド納富は感じています。じっくりと音楽を聴くには、やや物足りないかも知れませんが、ガイド納富がイヤフォンに求めるのは、そういう種類の音ではありません。あまりに鮮やかだと、仕事しながらでは聴けませんし、外の音と一緒に聴くことになる電車の中などでは、極端な繊細さは不要です。

ガイド納富にとって、ここまで「ちょいうどいい」イヤフォンは初めてでした。日本製だからというわけでもないでしょうが、音が馴染む感じなのです。また丁寧にチューニングされているようで、お借りしていたサンプルと、後に入手した製品とで、どちらが良い悪いではなく、音が少し違うのです。その固体の中で最上の音が出るように作られている感じがしました。そういう丁寧な仕事ぶりが製品全体に行き渡っているようです。

<関連リンク>
アコースティックエフェクトのホームページはこちら。試聴機の貸出し依頼、購入もここから行えます。
アコースティックエフェクトのイヤフォンはフジヤAVICで試聴できます。
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