All About編集部が行く! 話題の「楽屋ミラー」作りに挑戦の巻
こんにちは、All About編集部のゴヤと申します。
突然ですがみなさん、女性へのプレゼントってどうしてますか?
靴やカバン、指輪などいろいろあると思いますが、お店で選ぶとなるとほとんどが大量生産の既製品。なかなかオレ色が反映されたアイテムを選ぶことは難しいですね。
しかし、そんな悩みを解決できるスポットを発見!東京都心から電車で40分、世界も認める三ツ星の大自然・高尾山のふもとに、女性へのプレゼントにもぴったりの、世界にひとつだけのモノ作り体験ができるスポットがあるとのウワサです。実際に何を作るのかというと……
手鏡を造花でキラキラに装飾した、「楽屋ミラー」という女子力最強のアイテム! アイドルや芸能人の間で火が付いてテレビ等でも取り上げられ、さらに最近では自分で手作りする教室があるとのことで、話題になっています。
そして、なんといっても楽屋ミラー以上にキラキラな“生みの親”の存在が、このスポットの注目ポイント。今回の教室を主催する「モノ造りの妖精・トシ子ちゃん」は全身緑色の衣装を着ていて、バラエティ番組などにも出演しているのだとか。
とにかく、気になる存在であることは間違いありません!
思い切って高尾へと足を運んでみました。
高尾山のふもとで現代の妖精・トシ子ちゃんに出会う
最寄り駅である高尾駅を降り、事前に調べていた住所にたどり着くと、その建物には大きく「清水石材」の文字が。女性らしい造花のイメージとは異なり、無骨な男のニオイすら感じる佇まいです。「住所を間違えたかな?」と思いつつ、よくよく中を観察してみると、和風のお庭を隔てた奥になにやら気になる人影が……。
ハッキリと分かる緑色のグラデーションを発見!おそるおそる自動ドアのボタンを押し、中へ入ってみると……
「妖精だーーー!妖精がいたぞーーー!!」
実はももクロの衣装も担当するスゴい方
【トシ子ちゃん プロフィール】
最新の造花(アートフラワー)を使用し、雑誌広告等の造花プロップ(スタジオセット)等を手がける。お花がメインにデコレーションされた『楽屋ミラー』は、数多くの芸能人・著名人に愛用されている代表作。また、ももいろクローバーZの衣装デザインの一部を担当。長野県飯田市の伝統工芸飯田水引を使用し、今までに無かったアイテム制作の活動も。おネエ系タレントの新星としてメディアやイベントでも活躍中。
本当に全身緑色ですね。何か特別な理由があるんでしょうか?
そうですか。とても目に優しいです。葉っぱと茎のような気持ちが必要な仕事って、どんなものでしょうか?
きっかけは、マネージャーさん(女性)と仲良しで、もともとお友達だった、みたいな。こうやって有名になる前に、すっぽんを食べにいって……あ、すっぽんには特に意味はないんだけど(笑)。
そういう縁があったんですね。そもそも、トシ子ちゃんがアーティストとして今の仕事を始めるきっかけは?
私たちゲイの人って、週末になるとあちこちの都会に遠征するんだけど、それで20歳のときに名古屋のゲイパーティーでおぐねぇーに出会って、仲良くなったのね。当時はイラストを描いてたんですけど、「あんた、東京で一回勝負してみなさいよ」と言われて。
周囲のゲイ仲間やお母さんなど、色んな縁が支えてくれていて、気付いたらこうやって形になっていたというか。あと、どんな手をつかってでも、夢をかなえてやるっていうエネルギーは持っているわよ。
全身緑色の衣装もそうですけど、こういった独特のデザインはどうやって生まれているんでしょう。
これは、造花アーティストとしての仕事にも共通していて、今日作ってもらう「楽屋ミラー」にもそのエッセンスがあるのよ。
あ、今日は楽屋ミラーを作りに来たんでした!トシ子ちゃんに夢中で……。そういえば、なぜ“楽屋”ミラーなんでしょう?
花束のような見た目もありつつ、その後も実用的に使えるから、お世話になった人への贈り物や結婚祝いなどにもオススメよ。トシ子が講師としてここで講習会をやってるので、ぜひ手作りで作ってみて♪
「楽屋ミラー」を作ってみた
実際に話してみると、トシ子ちゃんは声がやわらかくて口調もそんなにキツくなく、とても優しそうな方でひと安心。不器用でもどうにかボロクソに言われずに済みそうです。さあ、はじめましょ~か♪ビシバシいくわよ。
道具としては、手鏡とお花・リボンなどの飾り、ハサミとグルーガンがあれば大丈夫。結構シンプルでしょ?
まずは鏡のフチに沿って、シュシュを伸ばしたようなかわいらしい生地を接着していきます。
フリフリの生地がくっついたら、造花やリボンの配置を決めてグルーガンをぬりぬりしていきます。
お花の基本の配置としては、さっきくっつけた生地に沿って円形に並べていく感じね。目立つお花は左上に置くと、スッと収まって見えるわよ。
先生、グルーガンの芯が無くなりました。
カーテンの留め具のようなフリフリした紐は「タッセル」と言い、「揺れるものはカワイイ」と語るトシ子ちゃんのお気に入りアイテム。これも場所を決めてくっつけていきますが……。
あんたこれじゃ短くないっ!? 揺れてなんぼなのにね。ま、しょうがないわ。
1時間ほど使っても、まったく上達しないグルーガン。もう、ぐちゃぐちゃです。
それでも、真ん中に大きな花を取り付けると、なんだかそれっぽく見えます。ここまで、ほぼトシ子ちゃんのアドバイス通りにしか作っていないので、当たり前と言えば当たり前。
最後に、女性らしい淡い色に少しピリっと引き締まった印象を与えるため、濃い色の葉っぱを取り付けていきます。
あんた年上好き?年下好き?
もしプレゼントを考えてるなら、相手がどういうのが好みかを知っておくと良いわね。たとえば、濃い色の葉っぱをつけてあげると、色味が引き締まって大人っぽく見えるわよ。
配置に悩みつつも、またしてもトシ子ちゃんのアドバイス通りに接着。序盤から、「はい!」とただただ従い続ける僕に対して、モノ造りの妖精はちょっと呆れ顔の様子です。
ついに完成!トシ子ちゃんからの評価は?
濃い色の葉っぱを取り付け、取れそうな部位がないかの確認を終えると、ついに完成!最後の最後に、葉っぱをもう1枚付け足し、自己流で2枚並べてみました。これが吉と出るか、凶と出るか!?
先生。初めてにしては結構上手くできたと思うのですが、どうでしょう?
ここにパールがついてる意味があんまりわかんない。あと、お花の配置と言うよりも、グルーガンの使い方が汚い。ところどころ接着剤がハミ出して固まっているし。
初めてだからいいんだけど、「あーー失敗しちゃったー!」とか言えばかわいいのに、黙ってたでしょ。ちゃんと見てたわよ。
ぜんぶ見透かされていました。変に気を使って何も言われないよりも、なぜかスカっとして気持ちいいです。
楽屋ミラーづくりって、そういう性格とかセンスって出るものなんですか?
あと、最後の調整のときに、パールを置く場所考えるの嫌になっちゃって、テキトーに置いたでしょ。最後の最後であきらめちゃうタイプなのね。
まあ、初めてだからいいんだけどね。そういうところも、かわいいってことにしてあげるわ。
あのー、かわいくなくていいので、良いところも教えて下さい(泣)。
あと、きちんとお花で円形に配置できているのは良いと思うわよ。
具体的に点数をつけようとしたら、10点満点中、何点ぐらいになりそうですか?
妖精の国をあとにする
楽屋ミラーが完成し、ひと通りの評価をいただいて、本日の取材は終了。4.5点の図々しい手鏡を手に、トシ子ちゃんのアトリエを後にすることにしました。
短い時間でしたが、ふだん味わえない濃厚な時間とモノ造りを体験できたので、なんとも後を引く寂しさがこみ上げてきます。
アトリエを離れるにつれ、視界のカラーバランスが元に戻っていくのが感じられます。
さよなら……トシ子ちゃん……。
高尾を離れ新宿に戻ると、のっぺりとした都会の色使いに、息がつまります。花ばっかりで、茎と葉っぱがない……緑が恋しい。
4.5点の楽屋ミラーは、女性にプレゼントするのも図々しいので、自宅で使うことにしました。
さっそく右頬にニキビができているのを発見。いつもよりもハッキリと自分の顔が確認でき、これからの朝の準備が捗りそうです。
■トシ子ちゃん Information
Artificial Artist tosHiko
トシ子ちゃん official blog 「飛んじゃいそう」
造花アーティストtosHikoの“造花DECO”講習会
高尾@楽屋ミラー
講習会内容:楽屋ミラーキットを使い制作。造花をデコのパーツとして使う時のポイント等。
場所:JR・京王線高尾駅北口 徒歩15秒
所要時間:120分
金額:材料費・受講料・税込み
(1)miniサイズ 8,000円 (2)Lサイズ 11,000円
(お持ち帰りの袋も付いています)
※4名様以上から受講可能
お問い合わせ・お申し込み:造花アーティストtosHikoの“造花DECO”講習会
撮影 / 泉 三郎