個性ある表現の「Ryoura」の焼き菓子
前のページで、「Ryoura」の生菓子を紹介しましたが、手土産にぴったりのパウンドケーク類や、気軽なおやつにしたくなる様々な焼き菓子も、菅又シェフの新たな挑戦と思いが込められている注目の品です。パウンドケーク類は、自家製の漬け込みフルーツを混ぜ込み、ほんのりシナモンを香らせた「ケイクフリュイ」をはじめ、ナッツとチョコレートの相性抜群の「ケイクショコラ」、オレンジコンフィとマジパンを練り込んでしっとり焼き上げた「ケイクオランジュ」、レモンピールが爽やかな「ケイクシトロン」が揃います。
「ケイクフリュイ」は、以前の店から人気を博していましたが、今回、新たに発売するにあたって、バターの種類や、より歯切れよい食感を求めて粉の量を変えるなど、微調整を重ねたという菅又シェフ。レーズンの量を増やし、生地の水分量も多くなっていますが、生地とドライフルーツの食感の対比がしっかりと感じられる仕上がりになったそうです。
形も、以前よりも細身の型を使ってスタイリッシュな雰囲気に。手土産ギフトとしても、美味しいうちに食べきりやすいサイズとなりました。
色々と試作はされているそうで、これから、新作ケークが登場するのも楽しみですね。
「Ryoura」の個包装のドゥミセック(半生菓子)、たとえばマドレーヌやフィナンシェなどには、一般的に日保ちを高めるために使われることの多い脱酸素剤が入っていません。その分、賞味期限が短くなりますが、焼き菓子であっても、新鮮で美味しいうちに食べてほしいという菅又シェフの思いが伝わってきます。
その中でも特徴的な一つがこちらの「マドレーヌ オ ブール」。フランス菓子店では、マドレーヌと言うと、フランス・ロレーヌのコメルシーで生まれた貝殻の形で焼いたものが多く見られます。一方、日本に伝わったマドレーヌは、昔ながらの洋菓子店でも作られるようになり、本来はパン・ド・ジェーヌというお菓子に見られる平たい菊形や、カップケーキのような形に変化していきました。もしかしたら、子供の頃に食べたマドレーヌは、貝殻形ではなく、そのような平たい形やカップケーキ形だった、という方が多いかも知れませんね。
実は菅又シェフ、お父様もお菓子職人でいらっしゃいますが、そんな生い立ちの中、ご自身の子供時代に身近だった懐かしいマドレーヌを思い、あえてこの形にしたというのが、今回の新生マドレーヌ。やや強めに焼いて、焼き上がった後に生地がしっとりと戻るような変化をイメージしていて、焼いてすぐよりも、翌日以降の方が、本来の美味しさに達するそうです。
こちらはバターの香ばしさがシンプルに味わえますが、紅茶味なども試作していらして、今後、味のバリエーションが登場するかも知れません。
最初にご紹介した「マカロン」についてもお話したとおり、アーモンドパウダーを自家挽きに変えた菅又シェフ。ナッツをキャラメリゼして細かく挽いて作るプラリネも、業務用の既成品もあるのですが、やはり自家製で作ることにして、そのプラリネを使ったのが「フィナンシェ プラリネ」です。
この他、塩バターキャラメルを練り込んだ「フィナンシェ キャラメル」、マカロンと同じく新たな挑戦として抹茶を使った「フィナンシェ テ ヴェール」、メープルシュガー入りの「フィナンシェ エラブル」(3種全て1個税抜223円)も揃うので、アソートで詰め合わせギフトにしてもいいですね。
「Ryoura」の「サブレ ショコラ ア ラ フルールドセル」(1本税抜630円)
中でもお勧めは、これも菅又シェフのスペシャリテとしてファンの多い「サブレ ショコラ ア ラ フルールドセル」。チョコチップも入った濃厚な味わいのサブレショコラに、所々、じゃりっとするブルターニュの海塩“フルール・ド・セル”の旨味がアクセントとなっています。
他にも、「サブレ ブール」(1本税抜584円)やココナッツ入りの軽い食感の「サブレ ココ」(1本税抜584円)、周囲にキラキラしたグラニュー糖をまぶした「サブレ バニーユ」とシナモンとココアパウダーが香る「サブレ ショコラ」(どちらも1本税別547円)などが揃うので、これも、2本、3本と組み合わせてギフトにすると、見栄えもよくお勧めです。
世田谷区・用賀の地で、新たな一歩を踏み出したパティスリー「Ryoura」。菅又亮輔シェフが表現する“自分らしいお菓子”が、今後どのように展開するのか、楽しみですね。
<ショップデータ>
「Ryoura(リョウラ)」
東京都世田谷区用賀4-29-5 グリーンヒルズ用賀ST 1階
電話 03-6447-9406
営業時間 11:00-19:00
定休日 火曜、水曜(祝日の場合変更あり)
http://www.ryoura.com/