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2015年のベスト韓国ドラマ・女性向け編
サラリーマンのバイブルと称された
「ミセン-未生-」
囲碁プロ棋士の夢に挫折した26歳の若者が、コネで一流商社のインターン社員となり、悪戦苦闘する姿を描いたドラマ。原作は、韓国のサラリーマンのバイブルと称された同名のWEBコミック。ケーブルテレビでオンエアされ、トップスターも出演していないのに、各界の有名人がSNSなどで「ハマった」と絶賛コメントを寄せるほどの社会現象をもたらしました。その魅力は、サラリーマンはもちろんのこと、社会生活をしている人ならば誰でも共感できるリアリティのあるストーリー。これまでのパターンならば、主人公が囲碁で鍛えた記憶力を武器に大出世…というサクセスストーリーが描かれたのでしょうが、本作ではコピーすらまともにとれない主人公が出世できるわけもなく、会社という組織の中で自分の居場所を見つけようと悪戦苦闘する姿が極めて現実的に描かれます。韓国ドラマの定番要素のありえない展開や、ロマンチックラブもなし。それでいて、多くの人々に支持された「ミセン-未生-」は、百想芸術大賞、ケーブルテレビ放送大賞で主要部門を独占しました。韓国の企業の話ですが、日本のサラリーマンも共感すること間違いなし。韓国ドラマという先入観を持たないで、ぜひ見ていただきたい作品です。 タイムスリップ・サスペンスに興奮
「神様がくれた14日間」
自身が構成作家を務めるテレビ番組の生放送中に娘を殺害された母親が、事件の起こる2週間前にタイムスリップし、事件を解決するサスペンスドラマ。なぜか一緒にタイムスリップしてしまった元刑事が母親の協力者となり、2人で事件の背後に隠された陰謀が暴いていきます。タイムスリップ後の1日を1話で描く手法や、緻密な伏線の数々、予想もつかないどんでん返しの繰り返しなど、1度見たら止まらなくなること間違いなし。タイムスリップとサスペンスを融合させた試みも斬新です。異色の法廷サスペンス
「傲慢と偏見」
幼い弟を殺害された姉が真犯人を見つけるために検事となり、新米検事としてさまざまな事件を解決しながら成長してゆくとともに、弟の事件に隠された真相に迫っていく法廷サスペンス。ヒロインとチームを組む上司や、先輩検事ら主要な人物が、すべて弟の事件に関与していることが徐々に明らかになるスリリングな展開。そして、法廷界の不条理を描いた骨太のテーマが支持されました。韓国を代表する個性派かつ演技派俳優のチェ・ミンスがチームを率いる部長検事役に扮し、抜群の存在感でドラマに深みを与えているのも見どころ。一方、法廷ドラマでありながら、ラブ要素も強めで、イケメン俳優のチェ・ジニョクと新鋭イ・テファンのヒロインをめぐっての三角関係にも萌えます。
実存の殺人事件をモチーフにした
「カプトンイ 真実を追う者たち」
1986年~1991年にかけて、韓国・京畿道華城郡(現在の華城市)周辺の小さな村で起きた未解決の連続殺人事件「華城連続殺人事件」をモチーフにしたミステリー・サスペンス。20年前に起きた連続婦女暴行殺人事件の犯人“カプトンイ”の容疑者と疑われた父が自殺したことから、父の汚名を晴らすべく真相を突き止めるために刑事になった主人公。そこに、20年前の事件を模倣した事件が発生。過去の事件と現在の事件が交錯する中で、犯人を追う主人公、そして過去の事件で犯人を検挙出来なかった刑事の執念、事件の被害者である女性、被害者の家族たちなど、事件に関与する人物たちのさまざまな人間心理が描かれている点に興味を惹かれます。
韓国上流社会を皮肉ったブラックコメディ
「風の便りに聞きましたけど!?」
超エリート一家の息子が、借金を抱えた家のビンボー女子高生を妊娠・出産させてしまったことから巻き起こる騒動を描いたドラマ。完璧主義の法律家である父と、生まれついてのセレブの母は体面を気にして大慌て。表面上は上品にふるまいながらも、裏では息子のできちゃった婚や、スペックの低い嫁をどうにか取り繕うと必死になる姿に思わず苦笑してしまいます。プライドと俗物根性にまみれた上流社会の一家と、貧乏なのにプライドだけは人一倍のヒロインの家族の構図が、韓国の格差社会を風刺していると大好評。ブラックユーモアにあふれた新感覚の作品です。次回は、女性が大好きなラブコメやホームドラマから5作品を選んでご紹介したいと思います。