朝食でビジネスホテルを選ぶ人も!
お得なビジネスホテルの朝食(写真はイメージです)
いまビジネスホテルは朝食合戦といえそうです。朝食でホテルを選ぶ、というゲストも少なくありません。
チェックアウトする直前に食べる朝食の印象は強く残るので、多少客室に不満はあろうとも、「ピークエンド効果」として、心理的にもホテル全体としての好印象を与えられる可能性は高くなります。
さて、ビジネスホテルですが、比較的料金の安い低廉型とちょっと贅沢な付加価値型に大別できます。前者の代表的チェーンとしては、東横イン、スーパーホテル、ルートインなど、後者としては、リッチモンドホテル、ドーミーインなどが挙げられます。低廉型は寝ることに主眼が置かれているため、設備やアメニティなどは限定的です。
一方、付加価値型は客室やベッドが広かったり、クォリティの高いものを使用したり、充実した設備の大浴場を有したりと、寝ること以外にステイにも主眼が置かれています。もちろん料金差はあり、付加価値型は低廉型の2割増~が相場です。
朝食に着目してみると面白い現象があります。料金の高い付加価値型が有料朝食、料金の安い低廉型が無料朝食を採用するという「逆転現象」が見られるのです。無料といっても、もちろん宿泊料金に含まれているわけですが、有料朝食の対義としての表現であることをつけ加えておきます。
宿泊料金の高い付加価値型のホテルで取材をすると、ステイに主眼を置くがゆえに朝食もゆっくり楽しむというゲストが多く、ホテルのクオリティに合わせた朝食を提供しようとすると自ずと有料になるといいます。確かにご当地メニューや地産地消など、素材への気配りも感じられる内容が多くあります。一方設備やサービスなどをある程度割り切る低廉型では、食事を楽しむというよりも、限られた時間の中でスピーディーにお腹を満たす「行為としての朝食」という位置づけで、ある程度割り切って提供しているといいます。
豪華な朝食を提供するビジネスホテルは?
とはいえ、近年無料朝食を提供する低廉型ホテルには、充実したブッフェメニューにしてこれが本当に無料!?といった内容の施設が増えています。全国チェーンでは、ルートインの充実ぶりには注目ですし、全国チェーンに対抗すべく、更なる充実した内容を実現しているのが地方の独立系や小規模チェーンのホテルです。オガールイン(岩手)、ホテルココグラン(上野不忍・北千住)、ホテルアクティブ!(博多・山口・広島)、ABホテル(愛知・金沢ほか)など、全国各地に注目の無料朝食施設は数多くあります。
地方の独立系、小規模チェーンのビジネスホテルにとって、全国チェーンの進出は脅威ですが、こうした独自の工夫や努力でリピーターを獲得しようと驚きのサービスを展開するケースが増えています。「どこへ行ってもいつものホテル」もいいですが、新規開拓してみると新たな発見があるかもしれません。
教えてくれたのは……
瀧澤 信秋(たきざわ のぶあき)さん
【関連記事をチェック】
1000軒のホテル利用で判明!お金をムダにしない選び方
ビジネスホテルの無料サービスをお得に使う!
大阪でホテル予約がとれない人必見の穴場ホテルとは?
ホテル評論家厳選!東京のカプセルホテル部門別9選