幕張メッセで開かれた「第4回 鉄道技術展」(2015年11月11日~13日)。その中から注目を集めていた近未来的な最新車両や画期的な台車、ホームドアについて紹介したみたい。
新交通システムの画期的な新型車両
鉄道技術展の会場内で目立ったのは、三菱重工業のブース。何しろ屋内に本物の車両を展示していたからだ。斬新な車両は埼玉新交通(ニューシャトル)の新型2020系。ニューシャトルは通常の線路を走る鉄道ではなく、都内の「ゆりかもめ」同様、ゴムタイヤでコンクリートの軌道を走る新交通システムで、大宮から鉄道博物館に向う時にお世話になっている鉄道だ。
前面は六角形の車体断面で、車内がもっとも広くできる合理的形状なのだ。側面のドアをよく見ると、上と下に窓がついている。上の窓は、どんな車両にもあるものだが、その下方にも窓があるのはちょっと驚く。小さな子供が外の景色を見るのに便利なほか、車内が明るくなる効果もある。
車両は、通勤型なのでロングシートであるけれど、きわめて座り心地の良いシートだ。また、形状を工夫することにより、足を通路に投げ出しにくくなり、マナー向上に役立ちそうだ。
11月4日に、第1編成がニューシャトルの路線でデビュー。洒落たインテリアで利用者にインパクトを与え、早くも沿線で話題になっている。第3編成までの製造が決まっていて、2016年にかけて順次導入予定とのことだ(展示されたのは、第2編成の先頭車)。
このような新交通システムを、三菱重工ではAGT(Automated Guideway Transit)と呼んでいて、その進化形ともいうべきSuper AGT(愛称Urbanismo)を開発中である。これは、例えば、空港と都心、あるいは都市間を時速120km(現行の新交通システムは時速60km)の高速で走行することを計画していて、近未来の乗り物の感がある。国内外での実用化を期待したい。