時間があればファイナンシャル・プランナーの勉強を
何の勉強をすればお金に苦労しなくてすむのか
私の本業は教育であり、記憶術や勉強法の指導でもありますから、お金に関しての勉強法も触れておこうと思います。お金に強くなるためには何をどのように勉強をしたらいいか?
ひとつはファイナンシャル・プランナーの勉強です。実際、ファイナンシャル・プランナーにならなくても、お金全般に強くなりたいという人が勉強するケースが増えています。
たんにお金の知識、お金を増やす知識を学ぶだけでなく、自分のライフプラン、ライフイベントと合わせて、将来何のためにどれくらいお金必要になるかを知る。その意味でもファイナンシャル・プランナーの勉強は有効です。
結婚してマイホームを買うのか、あるいは賃貸で通すのかという選択や、子どもの教育、老後の生活など、家族や夫婦などのライフプランに合わせて将来必要になるお金を見積もることが大事です。
まず現在と未来の“現実”と向き合うことなのです。現実と向き合って必要になるお金を数字に落とすことが大事。そのための勉強が必要なのですが、ファイナンシャル・プランナーの勉強は最適です。試験を受け資格取得を目指さずテキストを読むだけでも勉強になります。
そこまで本格的に勉強できないという人は投資や運用など、マネーに関する本を読むだけでもいいでしょう。その中でできるだけお金に関する知識や情報を増やしておくことです。とくにふだんよく聞いている言葉や用語でも、しっかりとその意味を知っているかどうか? あいまいなものがあれば調べて確認するだけでも違います。
カードのリボルビング方式の意味とカラクリを知っておくだけで違う
たとえばカードの返済などでリボルビング方式があります。最近は特にショッピングなどでもリボルビング方式が多く、ついつい契約してしまいがちです。どんなに借入額が大きくなっても毎月の返済額が増えないのがリボ払いの特徴です。しかしその分返済期間が長期に及んでしまいます。リボ払いの中でも定額方式や定率方式、残高スライド方式など、細かく方式が分かれています。たとえば定率方式は残高の何%を返済するかが決まっているため、残高が少なくなれば毎月の返済額が少なくなります。ただし残高の何%なので理論上はいつまでたっても返済が終わらないということになります。
それぞれの特徴を解説するのはここでは難しいのですが、いずれにしても借入額が多くなると何年たっても元金がほとんど減らないという恐ろしい事態になります。
このような知識を一つでも増やしておくことで、より適切な判断や選択が可能になります契約書やパンフレットを見て用語で少しでもわからないことがあれば調べること。その点いまはすぐにネットで調べることができます。
心理学や行動科学の本を読んで自分自身を知ること
もう一つは“自分自身を知ること”です。自分の性格や気質、長所や短所、強みや弱みを客観的に把握すること。そこから自分に合ったライフスタイルやライフプランを作ることができます。また自分の消費性向や嗜好、どんなものに誘惑されやすいかが分かります。そのためにお勧めなのが心理学系の本や行動科学系の本を読むことです。それによって人間の心理や行動を知ることができます。自分自身の性格や気質、思考の癖を客観的に把握することができるのです。
すると現在の自分の性格や癖が、過去の出来事や記憶に影響されていることが分かるでしょう。それによってお金に対する向き合い方や考え方が決まっていることも理解できるようになります。自分を突き放して見る目を持つこと。結局これも私が何度もお話している“現実”と向き合うことに他なりません。
★インタビューは今回で最終回です。過去の記事を読みたい方はコチラへ!
カリスマの“記憶”を正しく使ってお金持ちになる方法
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教えてくれたのは
宇都出 雅巳さん
大学時代から速読法、記憶法を学び始め、読書や英語学習、試験勉強で実践。2002年には1ヶ月でCFP試験に、2010年には2ヶ月で行政書士試験にそれぞれ一発合格。その試験勉強の模様をメルマガ・ブログで実況中継し話題を呼んだ。2012年4月には、記憶術を読書や試験勉強の実践にいかに結び付けるかを解説した『「1分スピード記憶」勉強法』を出版。読売新聞土曜朝刊の「勉強プラス」コーナーで4ヶ月にわたって取りあげられるなど大きな反響を呼んだ。最新刊は『3ステップ記憶勉強術』(実務教育出版)
ホームページ:http://www.utsude.com/
ブログ:だれでもできる! 速読勉強術 http://ameblo.jp/kosoku-tairyokaiten-ho/
取材・文/ビルドゥングス