フラッシュを使うと露出も変わる
デジタルカメラを使うときに、すべてカメラ任せのオートモードに設定した場合、暗い場所でシャッターを切るとフラッシュ発光することがあります。これは、光量が少ないのでフラッシュ発光させ、光を補って撮影しようとカメラが判断した結果です。フルオートモードで撮影すると、このようにカメラの判断でフラッシュ発光することがあり、場面によってはフラッシュ光により周囲に迷惑を及ぼすこともあります。それを回避するため、カメラの判断で発光しないように「発光禁止モード」に設定して撮影している方も少なくありません。
通常撮影でのフラッシュの使用は、このような状況に応じて変えていくという使い方が一般的です。
このフラッシュを使い撮影すると画像の写りも変化を及ぼします。
まずは下の写真をご覧ください。釣り上げた魚を撮った写真です。
夕方の暗くなりかけている時間に撮ったので、魚はやや暗く写り手ぶれも少し起きています。フラッシュは使っていません。シャッター速度は1/5秒で撮影されています。
今度は同じ場面でフラッシュを強制発光させて撮影した写真をご覧ください。
魚にフラッシュ光があたり、はっきりと魚はきれいに写りました。ただ、背景は真っ黒です。撮影されたシャッター速度は、1/250秒でした。
この写り方の違いは、フラッシュを使いシャッター速度が変わったことで生じた結果です。フラッシュ光を使うと周囲が強い光で照らされます。オート撮影ではその光量に合わせてシャッター速度が速くなり撮影されます。
シャッター速度が速くなることでレンズ前にある被写体は光が当たって写しだされますが、背景の部分は光量が足らなくなって暗く写ってしまったわけです。背景の写り方は、状況により変わるのですべての場合で真っ暗に写るわけではありません。
この比較でわかるのは、同じ場所で撮影してもフラッシュを使うと撮影される露出値が変化するということです。具体的に言えば、フラッシュの光に合わせてシャッター速度が速くなった分、背景が暗く写る傾向にあるということです。
フラッシュを利用してイメージコントロールした写真が撮れる
このフラッシュの効果による写り方の違いを理解しておくと写真のイメージをコントロールして撮影するのに役立てることができます。被写体に強めの光が当たり背景が暗く写るという傾向を利用して、このような写真を撮ってみました。
ちょっと怖いような写りですが、あえてインパクトのあるイメージにするためにフラッシュの効果を利用して撮影してみました。フラッシュを使うことでのイメージの違いを知っていれば難しくはない設定です。
このようにフラッシュを使ってオート撮影するだけでも簡単にイメージコントロールができます。いろんな被写体でフラッシュを撮ってみると思いもよらなかった写真が撮れるかもしれません。