税の申告にマイナンバーが影響するのは平成28年分から
マイナンバー制度で財産がガラス張りに
マイナンバーは外国人も含め、住民票を有する全ての個人に一人一つの個人番号(12桁)が指定され、平成27年10月から通知カードにより通知されます。
気になる税務申告は、所得税と贈与税は平成28年の所得や贈与の分から、相続税は平成28年に発生したものから。申告書にマイナンバーを記載して提出することになります。
マイナンバー導入で財産はガラス張りに
個人の様々な所得は税務署は一元管理できるようになります。また平成33年からは預金口座や証券口座への導入も義務化されるため、入出金などが全て把握されてしまいます。財産内容がほとんどガラス張りになるといっても過言ではありません。税務調査で申告漏れが指摘される?
これまで税務署は、個人の所得や生前贈与を全て把握することができず、税務調査においても財産の申告漏れや贈与税の申告漏れを指摘できずに終わっていたことが多かったようです。マイナンバーが導入されれば、税務署は申告漏れを把握しやすくなるため好都合といったところです。税務署に目をつけられる可能性のあるケースは?
税務署から相続税や贈与税の申告漏れの指摘をされないよう、次のような人は特に注意しましょう。●収入は少ないが金融資産が多い
例えば専業主婦など、過去の収入が少ないのに金融資産が多い相続人。へそくりも相続財産になります。
●収入が多いのに申告した財産が少ない
被相続人は過去の収入が多かったのに、申告した財産が少ないような場合。親族に財産が移っていないか(名義財産)疑われます。
●金融機関を分けて贈与した
例えば、長男に50万円ずつ3つの銀行に贈与したとします。名寄せで150万円の贈与が把握され、贈与税の漏れを指摘される可能性が。
●副業の儲けをこっそり貯めている
副業による所得も把握されることから、隠し財産(タンス預金など)が判明してしまうかもしれません。
●遠隔地の預金や国外への送金をしている
これらの状況も把握されるため、国外への資産隠しも全て申告漏れの指摘を受けることに。
●基礎控除内の生前贈与をしている
110万円の基礎控除内の生前贈与は名義財産と指摘されやすいものです。贈与税の申告・納税や、受贈者が通帳管理するなど、適正な贈与だと説明できるようにしておきましょう。
税理士を選ぶにも、マイナンバー対策を徹底しているかが肝に
税務署が有利な立場となることから、個人としては味方になってくれる税理士が頼りになるが、税理士選びではどういったポイントがあるのでしょうか。税務申告にあたっては重要なマイナンバーを税理士に伝えることになります。なりすまし犯罪など、マイナンバーが漏えいすると様々な情報が他人に知られてしまう可能性があるため、相続や贈与に詳しい税理士であることはもちろんのこと、マイナンバー対応(管理・漏えい対策など)がしっかりしている税理士を選ぶことが重要です。
ある相談者は、「マイナンバーが始まったら預金は全部出してタンス預金にしようかな。でも盗難や火災のリスクもあるし。そもそも手もとに現金があったら使ってなくなってしまうかも」と笑っていました。何をやっても税務署には把握されてしまうと考え、無理な節税(脱税?)でなく、適正な贈与や財産管理の対策をしっかりしておくほうが、残された相続人が安心できる本当の意味での相続対策になるはずです。
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