「里山トロッコ列車」の客車
客車は4両。機関車の次位からハフ(客車)+ハテ(窓なし展望車)+ハテ(窓なし展望車)+クハ(運転台付き客車)という形式になっている。
1両目のハフと最後尾のクハは、ガラス窓のある一般型客車、真中の2両は、ガラスがなく、風がたっぷり入ってくる展望トロッコ車両だ。どの客車も木製の4人向い合わせのクロスシート。天井にもガラス窓があり、AVカットが施されている。長さが10mにも満たない小さな客車なので、足回りは台車ではなく、小型貨車と同じく2軸車だ。
最後尾のクハには運転台がついている。この運転台は、列車が終点に到着後、折り返すときに、機関車の付替えを行わず、そのままクハを先頭に、五井方面へ戻るために設置している。
したがって、上り列車の場合、機関車は最後尾から列車を押していく推進運転の形をとる。日本では、JR北海道のノロッコ号で採用されているくらいしか例がない珍しいシステムだが、ヨーロッパでは極ありふれた運転スタイルだ。現地では、プッシュプル・トレイン、Pendelzug、Wendezugと呼ばれている。