鉄道/鉄道デビュー・開業情報

千葉でSL復活?小湊鐡道の里山トロッコ列車、運行開始(2ページ目)

千葉県のJR内房線五井駅を起点に房総の内陸部を走り、終点上総中野でいすみ鉄道とつながって房総横断鉄道ルートの一部となっている小湊鐡道。首都圏から近いところにありながらも、のどかな里山風景が展開する魅力的なローカル線である。普段は、通勤型タイプのディーゼルカーが走り、必ずしも観光客向けの車両ではなかったが、このたび観光に特化した「里山トロッコ列車」がお目見えした。その詳細をレポートしよう。

野田 隆

執筆者:野田 隆

鉄道ガイド

「里山トロッコ列車」の客車

最後尾

最後尾から見た「里山トロッコ列車」


客車は4両。機関車の次位からハフ(客車)+ハテ(窓なし展望車)+ハテ(窓なし展望車)+クハ(運転台付き客車)という形式になっている。
ハフ

窓ガラスのはめこまれた客車(ハフ)

ハテ

ガラス窓のないハテ


1両目のハフと最後尾のクハは、ガラス窓のある一般型客車、真中の2両は、ガラスがなく、風がたっぷり入ってくる展望トロッコ車両だ。どの客車も木製の4人向い合わせのクロスシート。天井にもガラス窓があり、AVカットが施されている。長さが10mにも満たない小さな客車なので、足回りは台車ではなく、小型貨車と同じく2軸車だ。
ハフ車内

ガラス窓のあるハフ車内

開放的なハテ

ガラス窓のない開放的なハテ


最後尾のクハには運転台がついている。この運転台は、列車が終点に到着後、折り返すときに、機関車の付替えを行わず、そのままクハを先頭に、五井方面へ戻るために設置している。
クハの運転台

最後尾客車クハの運転台


したがって、上り列車の場合、機関車は最後尾から列車を押していく推進運転の形をとる。日本では、JR北海道のノロッコ号で採用されているくらいしか例がない珍しいシステムだが、ヨーロッパでは極ありふれた運転スタイルだ。現地では、プッシュプル・トレイン、Pendelzug、Wendezugと呼ばれている。
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