日本のチョコレートケーキとの違いと、ザッハトルテの正しい味わい方

日本のチョコレートケーキ

生クリームで覆われた、日本の典型的なチョコレートケーキ

日本で一般的に売られているチョコレートケーキとザッハトルテにはいくつかの決定的な違いが見られます。まずはケーキ表面の素材ですが、日本のケーキのように生クリームでスポンジ表面を覆うのではなく、前述の通り溶かしたチョコレート入りのフォンダン(糖衣)で滑らかに調えられており、生クリーム製よりも日持ちするのが特徴です。

次に、オリジナルのザッハトルテには付け合わせとして必ず生クリームがふんだんに添えられて来るのですが、これが無糖である点も見逃せないでしょう。これは、ザッハトルテ自体がすでに味もテクスチャも甘く濃厚に仕上げられているため、生クリームは甘さよりも素材そのものの持つ風味を楽しむと同時に、ザッハトルテのテイストを中和させる役割を果たしているからです。たかがチョコレートケーキひとつといえど、カルチャーショックに遭う人も少なくないようです。

ザッハトルテの食べられるお店

その人気の高さから、オーストリア中のカフェや軽食店、空港でさえも気軽に食べられるザッハトルテですが、やはりせっかくならばオリジナルレシピのケーキを食べておきたいところ。

■Café Sacher/カフェ・ザッハー
カフェザッハーの店内

典型的な古き良きウィーンのカフェ店内。落ち着いた調度でまとめられているので、一息つくのにもぴったり

ウィーンとザルツブルクにあるホテル・ザッハー内および、グラーツとインスブルックの街中に設けられた、同ホテル経営のカフェ。最も有名なものはウィーンのケルントナー通り沿いにある店舗で、店内にはエリザベス・テーラーやケイト・ブランシェット、ヒュー・グラントといった著名な銀幕スターや有名人のサインが壁にずらりと掛かっているのが壮観です。そして、計算されつくした素材の分量と温度で仕上げられるオリジナルの絶品ザッハトルテが食べられるのはここだけ。そのため、常に多くの観光客や地元の常連客で込み合っているので、多少の待ち時間は考慮して行動プランを練ったほうが良いでしょう。また店内のお土産ショップや入り口近くの席にはスリが出没するので要注意。ガイド自身も横の席に置いていた鞄を丸ごと盗まれた経験がありますので、貴重品は横や背後、足元には置かず、必ず膝の上で握っていてください。

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■Café Sacher Wien(カフェ・ザッハー ウィーン)
住所:Philharmonikerstrasse 4, A-1010 Wien
営業時間:毎日8:00~24:00

■K.u.K. Hochzuckerbäcker Demel/皇室御用達菓子店デメル
デーメルの厨房

デメルのカフェ内では、お菓子作りを間近に眺めることもできる

日本にもお菓子の販売店舗やカフェを出店しているため、知名度の高いデメル。ウィーンでは、ホフブルク王宮正面のハイエンドストリート「コールマルクト通り」に本店が置かれています。店内は帝政時代を彷彿とさせるような華やかなアンティーク調の設えで、雰囲気が抜群。ウィンナーコーヒーと一緒にザッハトルテを食べるだけで優雅な気分に浸れること間違いなしです。またホテルザッハーのザッハトルテとは味や質感が微妙に異なるため、グルメであれば食べ比べてみるのもお勧め。ただし、こちらもカフェ・ザッハー同様に混んでいることが多く、入り口のお土産コーナー付近はスリの巣窟となっていますので、バッグや貴重品は胸に抱えておいた方が無難です。

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■K.u.K. Hochzuckerbäcker Demel Wien(皇室御用達菓子店デメル・ウィーン)
住所:Kohlmarkt 14, A-1010 Wien
営業時間:毎日9:00~19:00

いかがでしたでしょうか? 同じ洋菓子の分類といえど、オーストリアのザッハトルテと日本のチョコレートケーキとではまったく違う味わいですので、ウィーンにお越しの際にはぜひお試しくださいね!
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