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茨城県常総市、決壊現場付近


住民からの通報で一地域に部避難指示を発令


9月10日、記録的な豪雨で堤防が決壊、広範囲に町が水没した茨城県常総市。堤防が決壊する前に2つの自治区には決壊の2時間前には避難指示が出ていましたが、決壊現場に最も近い自治区を含む鬼怒川東岸全体の残り6つの自治区に避難指示が出たのは決壊後の事でした。市によると「住民からの通報」でまず避難指示を出したということで、決壊場所を予測するのは困難だった、ということでしたが、住民は避難指示をどのように受け止めれば良いのでしょうか。

まず自治体の発表する「避難勧告」「避難指示」にはどんな違いがあるのでしょうか。その前に「避難準備情報」という自治体の発表する情報も存在します。その違いについて、そしてその運用の実態についても考えてみたいと思います。
まず水害の危機が迫ると気象庁が「警報・注意報」などを早い段階で発表します。そして今回は平成25年から運用を始めた「特別警報」を10日の朝7時45分には茨城県に発令していました。

「特別警報」とは「大雨」「噴火」「津波」などの災害が該当地域に数十年に一度の大災害をもたらす可能性が生じたときに発令される危機的な状況を示しています。この段階で本来、常総市は鬼怒川流域の広範囲に「避難指示」を出すべきだったと考えられますが、実際には上流域の「住民からの通報のあった」2つの地域のみに先んじて「避難指示」を出すのみにとどまります。

まず「避難準備情報」は災害の発生が予測され、避難時要支援者など、避難が遅れがちな人に避難を促す段階に発令されるもの。「避難勧告」は人的な被害発生が予測され、当該地域の住民に安全な場所への移動を促すためのもの。これがさらに事態が切迫した状態になり、人的被害の危険が高まった場合に発令されるものが「避難指示」となり強制力が最も強いものになります。

過去の豪雨被害において、実は幾度となくこの「避難指示」の発令が遅れ、貴重な人命が失われています。災害発生時には自治体の「避難指示」はあくまで一つの判断基準でしかないということ。自主的な避難行動がいかに重要なのか、
ということが今回も明らかになっています。そして多くの住民が「防災無線」を「全く聞こえなかった」という実情で、たとえ発令されていたとしても、どれだけ「避難指示」が有効だったのか、ということも問題でしょう。



聞こえなかった防災無線、身を守る方法は?


本来、この地域は「堤防の決壊」が危惧されていた地域だということは分かっていたようです。しかし住民は「まさかここまではならない」と考えていたようで、年内に堤防の強化のための工事が行われることは住民に告知はされていました。そして皆、一抹の不安は持っていたようでしたが、特に市からの警告等は一切無かったと聞きます。「防災無線」は大雨の時は雨音でほとんど機能しないということも改善されるべきポイントです。

河川の流域に住む住民は、気象庁の大雨情報、そして河川の水位情報に留意し、自分の住む地域だけではなく、上流域に大雨が降った場合も含めて、早めの情報収集を取る必要があります。「自治体の避難指示は被害が始まった後になる」場合がある、という前提で自らを守るための避難行動をしなければなりません。その際に国土交通省のリアルタイム「川の防災情報」のサイトが一つの判断の助けになります。上流域を含めて降雨情報や水位がPCや携帯からも確認できるので大変便利です。全国の河川の情報が手に入りますのでぜひご利用ください。

リアルタイム「川の防災情報」
www.river.go.jp

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