富山地方鉄道立山線ののどかな旅
立山駅からは、今回のルートで唯一正真正銘の鉄道路線である富山地方鉄道立山線に乗る。夏季のみ臨時運転の特急電車は運休なので、次の電鉄富山行きは、16時15分発。北陸新幹線富山駅に隣接する電鉄富山駅までは1時間少々の道のりだ。
元京阪電鉄の車両で、塗装を黄色と緑に変更した通称「かぼちゃ電車」2両編成は、常願寺川に沿って、のんびりと山を下っていく。山々に囲まれた山岳鉄道で、古びた駅が現れるが、乗降客はほとんどいない。
予定より早い時間だったので、電車の本数が増え、上滝線との乗換駅でもある岩峅寺(いわくらじ)駅で途中下車。風格のある神社風屋根の木造駅舎は、とやま近代歴史遺産100選に選ばれているとか。半世紀以上前にタイムスリップしたような味わい深い駅だった。
岩峅寺駅折返し電車で電鉄富山へ。この先は、広々とした田園地帯で富山県特有の散居村や屋敷森が目につく。
寺田駅で宇奈月温泉駅から延びてきた本線と合流。空いていた車内も下校途中の高校生で満員となり、そのまま夕闇迫る電鉄富山着。アルペンルートの旅は終わった。
富山から北陸新幹線で帰京
帰路は、18時30分発の北陸新幹線「はくたか」利用で東京駅着は21時16分着。途中のどこかで長居して遅くなっても、この後、定期列車が4本、臨時が1本あり、富山発21時20分発の最終列車「かがやき」でも東京駅着は23時32分。余裕を持って日帰り旅行ができる。
なお、紅葉シーズンや連休時は大変込み合い、乗り物は2~3本先のものまで待たなければならない事態も生じることを念頭に置いて行動していただきたい。休みがとれるなら平日がおススメである。また、室堂あたりは気温が低いので、服装には気を配りたい。
取材協力=JR東日本長野支社、関係交通機関
立山黒部アルペンルート(公式サイト)・・・料金なども分かる