注文住宅/家づくりを始める前に・心構え・トレンド

自分の家を、不具合・欠陥住宅にしないための心構え

誰もが家を建てるとき、失敗したくないと考えるものです。住まいは3度建てなければわからないという諺(ことわざ)がありますが、現代では3度も家を建てることは難しいでしょう。そこで、自分の家を不具合や欠陥住宅にしないための心構えを教えます。

佐川 旭

執筆者:佐川 旭

家を建てるガイド

失敗談を聞く

先日、住宅を新築して5年程たった方から相談を受ける機会がありました。その方は地元の工務店で建てたとのことですが、さまざま話すうちに参考になることを述べられていたので、それらをまとめてみました。

【失敗談】
  1. リビング・ダイニングを広くワンルームにしたが、子どもが小学生になり日中は奥様が1人、床暖房をリビングとダイニングに分けてスイッチを設けていなかったのでとても不経済
  2. 設計した時期が冬だったりすると、ついつい夏の冷房や通風のことは忘れてしまう
  3. 地域のゴミの分別の多さを考えず、キッチンにそのスペースをとらなかったのではみ出している
  4. キッチンの足元温風機は必要なかった。動いているので寒さが気にならなかった
  5. 子ども室の収納を細かく考えたが、結局プラスチック製の引き出しボックスがとても便利
  6. ドアより引戸にした方が良かったと思った
  7. コンセントはひと部屋につき最低でも2ヶ所はほしかった
  8. 和室の開閉式掘りゴタツは、面倒くさくて夏でも畳のフタはしていない
  9. 洗濯機、浴室、物干し場の3つと寝室はセットで考えればよかった
  10. 車のことはよく考えたが、自転車のスペースはあまり考えなかった。1台ならなんとかなるが、4台となると始めから考えておくべきだった

以上のような話でした。

家は住んでみてからでないとわからないものです。

話は変わって、以前私が設計をした家で3年住んでから竣工パーティを催した家族がありました。招待いただき訪れると、夫婦と子どもさん2人の4人家族が3年住んだ住み心地をたっぷり話してくれました。その内容はお世辞ではなく、きちんとした感想をいただきとても感動したことを覚えています。

上記の失敗談1~10の項目も、5年住んでの感想です。参考になるのではないでしょうか。一般に竣工パーティは完成後すぐに行いますが、住んでしばらくしてからの方が本音が出ていいのかもしれません。

不具合・欠陥住宅をつくらない質問項目は5つ

初めに取り上げた失敗談はどちらかと言えばソフトの部分で使い方の問題が多いです。このような目に見えるところは不具合といっていいかも知れません。不具合は大小あれど直すことは可能です。

しかし最も大切なことは目に見えない部分です。目に見えないところで起こる現象は欠陥となります。欠陥を直すことは大きな費用と時間がかかります。欠陥住宅をつくらない為には、最低でも次の5項目は建てる前に打ち合せをするか、質問として用意しておくとよいでしょう。

  1. 地盤と基礎について
  2. 耐震性はどうか(※重心と剛心を一致させる)
  3. 1階と2階の上下バランスについて
  4. 結露対策について
  5. 気密性能について

※重心 … 建物の重さの中心  剛心 … 建物の強さの中心

住まいは3度建てなければわからないという諺(ことわざ)があるくらい、住んでからわかることやライフサイクルに伴う生活の変化などもあり、難しいものがあります。しかし現代では3度も建てることはなかなかできません。そのため、上記の5項目はしっかりと質問し確認しておくことが重要なのです。

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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