KEN OKUYAMA DESIGNの新型あずさ
E353系電車は、基本編成9両、付属編成3両の12両編成。今回は、基本編成9両のみが公開された。まずは、先頭車両の前面、電車の顔にあたる部分だが、なかなかに精悍な表情だ。中央部は縦に黒く塗られ、E353の文字が入る。ヘッドライトは、縦にいくつも並んだものが左右に配置され、かなり個性的だ。北陸新幹線E7/W7系、秋田新幹線E6系、SL銀河の旅客車両同様、奥山清行(KEN OKUYAMA)氏がデザインを手がけている。
車体サイドは、白のボディだ。中央線の車窓から見える南アルプスの雪色を表現したアルパインホワイトと呼ばれる色合いである。窓周辺の塗装は、やや青みのあるメタリックグレーでまとめられている。この色彩は、「あずさ」のほとんどの列車の終点となる松本駅近くの松本城の青みがかった漆黒にちなんでいる。
通常の車両なら、窓の幅のストライプが、編成の後部まで連続しているものだが、E353系の場合、窓のない車端部とドア付近は極めて細いストライプに変化していて、洒落たデザインだ。
また、屋根付近に細長くバイオレットのストライプが入っている。バイオレットは、スーパーあずさ用E351系で使われている色合いである。この車両にも踏襲することによって、あずさのシンボルカラーであることを表現している。
爽やかな車内、涼しげな普通車
では、車内に入ってみよう。普通車は、通路を挟んで2人がけのシートがずらりと並ぶ。シートのモケットはライトブルーがかった爽やかなもの。旅の目的地信州の高原の涼しさや爽やかさが、乗ったときから早くも感じられるような雰囲気だ
パソコンが余裕で置けるテーブル。そして、通路側の座席を含め、すべての座席にコンセントが付いている。ビジネス客のみならず、観光客であっても、スマホやタブレットの充電は必要となるので、これは有難い。