急反発!しかし、逆に安心はできない
世界的株安の震源とも言われる中国株ですが、急激に株価が下落したあと、8月27日(木)は上海総合指数は6日ぶりに+5.3%の大幅反発となり、28日(金)も+4.8%の大幅続伸となりました。このような特大の上昇が飛び出し、安心する方も多いと思われますが、大きすぎる上昇の出る相場は、実は良くないのです。上図は2005年以降の上海総合指数の一日での騰落ベスト&ワースト20位です。大幅下落は相場崩壊時に起きると誰でも想像できますが、実は大幅上昇も(殆ど全ての場合)相場崩壊時に起きていることがわかります。今回の上海総合指数を見ると、すでに歴史に残る大幅上昇が4度も発生しているため、過去の例から言えば、現在バブル崩壊過程の最中にあると見ることができると思います。
それでは今後、どうすればいいのか?>>様子見が賢明
株価が急落したからといって安易に拾おうとせず、まずは株価が底を打ち、上昇転換のサインがでるのをじっくりと待つのが賢明
米国のナスダック総合指数でも過去の上昇日ベスト30の9割以上はITバブル崩壊中か、2008年金融危機時、もしくは1987年ブラックマンデー時に起きたものです。驚くことに上位30位の中にただの一つも上昇トレンド時(1990年代後半、2004~2007年、2010~2015年)の日は入っていませんでした。つまり、一日で+5~6%以上もの大幅上昇が起こると言うことは、「相場崩壊の証」と覚えておく必要あります。
それでは今後、どうすればいいかということですが、まずは安易に安値を拾おうとせず、この下落が落ち着き、さらに上昇トレンドへの転換のサインが出るのを、じっくりと見守りたいところです。今は下落トレンドですが、時間が経って、上昇トレンドに入れば1~2%程度の上昇を、果てしなく続けて行くものです。ですので、相場崩壊時には、底からの大幅反発を狙おうと考えなくても、株価が底を打ち、上昇転換を確認してから、ゆっくり買って持っておけば十分と言えます(たとえ数日遅れたとしても日々+1%上昇が延々と続くのですから)。
更に、もう少し短期的なことを言えば、目先、中国株は反発を続ける可能性があります。というのも、中国では9月3日(木)が休日(抗日戦勝記念日)で、抗日戦争勝利70周年を記念する軍事パレードがあるためです。9月4日(金)も休日となり、8月31日(月)の週は3日間の取引となります。そしてこの間、中国はパレードを盛り上げるために、先物の売りは厳しく制限され、国有企業からの売りも出ないと見られています。ちなみに前述の8月27日(木)と28日(金)の大幅上昇も、中国政府系の買い支えによる上昇との観測もあります(上昇に大きな資金が必要な大型株が引け間際に急騰しているためです)。さらにもしかすると、9月1日に中国国家統計局と中国物流購入連合会が発表する中国公式製造業景況感指数(PMI)も良い数字が発表される可能性があります。もしかすると、中国株は大幅上昇を続け、一時的に「中国株はもう大丈夫」との空気が広がるかもしれません。
しかし前述の通り、目先堅調で大幅上昇が続いたとしても、しばらくは様子見が賢明です。株価が底を打ち、上昇転換のサインが出てからの買いで十分間に合うからです。
参考:中国株通信
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