トレンチコート前閉じパターン(Street from Paris & London)
トレンチコートを着る際に、最大の決断となるのは、フロントを開けて着るか、それとも閉じて着るかです。もちろん、どちらでも着こなしが楽しめますが、組み立てがかなり異なってくるので、それぞれの持ち味を理解したうえで、両方のアレンジをマスターしておきたいところ。そこで、世界各地のトレンチファンのスナップを集めたバーバリーのデジタルコンテンツ「ART OF THE TRENCH」を参考に、トレンチルックのポイントを押さえていきましょう。まずは前閉じパターンから見ていきます。
前を閉じるおしゃれ面でのメリットは、細感を強調しやすい点です。実用面では防寒の効果も大きくなります。ベルトでキュッと引き締めると、さらにシャープなシルエットに。秋冬のコートルックはとかく重たく見えがち。でも、サイズが合っていて、仕立てのしっかりしたトレンチであれば、前を閉じてスレンダーな着姿に仕上げられます。エポーレット(肩章)や袖ベルトなどのディテールが施されていると、360度どの方向から視線を受けても、コート姿が退屈に見えません。
キャメルやブラックのトレンチを多く見掛けますが、他人と似た感じの見え具合を避けるなら、ベーシック系ではない色を選んでもいいでしょう。深みのあるネイビーは、ダークカラーにまとまりがちな秋冬ルックのムードを変えてくれます。寒色ならではのクールで引き締まったイメージに、かえって顔色を引き立ててもらえます。ベルトをきつめに締めてやると、腰から下に優美な裾広がりが出て、砂時計形の「フィット&フレア」に仕上がります。
前閉じスタイルで細感をさらに強めるには、すっきりフォルムの細身パンツが有力候補に。ここでも大事になってくるのは、サイズのジャスト感。貴重な見せ場になるので、裏地にも目を光らせて。チェック柄のような正統派ムードを帯びたモチーフなら、裾が躍る瞬間に品格を印象づけられます。
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