川の流れは「シャッタースピード」でコントロール
一概に川の流れといっても緩やかな流れから激流まで幅広くあります。川の流れの速さによって写真の写り具合は変わりますが、どの速さであれそれをコントロールしているのはシャッタースピードです。シャッタースピードとは、画像を記録する時間のことを指します。わかりやすく言うと、シャッターを押したときに「カシャッ」と音がするあの時間の間に画像を記録しているということです。
シャッタースピードの速さは、レンズの絞り値(F値)と光に反応する値のISO感度の組み合わせで決定されます。これは、写真の露出値の原理なのですが、ここでは詳しいことは割愛します。簡単に、シャッタースピードの決定には、レンズの絞り値とISO感度が関係しているのだなと理解しておいてください。
では、川の流れを撮影する手順を具体的にみていきましょう。
川の流れを撮影する場合、シャッタースピードを速くするほど川の流れ、つまりは水の動きが止まって写ります。下にある写真をご覧ください。
この写真はレンズの絞りF6、シャッタースピード1/320、ISO感度200の設定で撮影しました。ISO感度このあとの作例もすべて200で設定して撮影してあります。撮影モードは絞り優先モードを選択しています。また、シャッタースピードを遅くしていくのでカメラは三脚に取り付けて撮影しています。
この撮影場所の明るさは、夏の晴れた昼間のうす曇が差している状況。ズームレンズでレンズの絞り値を開いたのでシャッタースピードは速めの1/320秒で撮れました。その分、しぶきなど水の動きも形になって写っています。
ここから川の流れを糸が流れるようになだらかな状態で写るように変えていきましょう。
そこでシャッタースピードを1/320秒の半分の速さまで変えて撮ってみます。レンズの絞り値をF8に変えるとシャッタースピードが1/160秒に変わりました。ちょうど1/320秒の半分になる速度です。
1/160秒にシャッタースピードを変えましたが、写真を見るとまだ川の流れが形になって写っています。さらにまたシャッタースピードを半分の速さにまで遅くして撮影してみましょう。
1/80秒にして撮影してみました。だいぶなだらかに見えるようになりましたがこれでもまだ流れの形が見えています。ここは最もシャッタースピードが遅くなるように設定して撮ってみましょう。
次のページで、レンジの絞り値を最小にしてシャッタースピードを最も遅くして撮ってみます。