「いつまでも新婚気分」が危ない

夫婦の仲は変化する

夫婦の仲は変化する

夫婦関係が安定していつでも快適であることはいいこと……とみんな思いますよね。でも心理学的に考えると、実は違うんです。

人は常に変化します。妻も夫も変化しています。それなのに、夫婦関係だけはいつも同じということはあり得ないんです。

夫婦関係をいつまでも新婚のときと同じように維持しようとしたり、夫婦関係のバランスが微妙に変化して少し快適でなくなったことを悪いことだと決めつけたりすると、夫婦関係そのものの成長が止まり、関係が腐り始めます。

夫婦生活を続けていれば、多かれ少なかれ衝突や葛藤を経験します。そのこと自体はやっかいなことです。でも実はそれ、夫婦関係がステップアップする予兆なのです。

人は誰でも目に見えない「コンフォートゾーン」というものを持っています。「この中にいれば快適」と思える場所や状況のことです。しかしその中にずっととどまっていると成長ができません。コンフォートゾーンの外に出るには不安や恐怖が伴います。それでもときどきコンフォートゾーンを出て冒険をしないと、人は成長できません。

人がコンフォートゾーンを出るときというのはコンフォートゾーンが窮屈に感じられてきたときです。それだけその人が成長したということです。同じことが夫婦関係にもいえます。夫婦関係においては、コンフォートゾーンのことを「安定期」と呼んでもいいでしょう。

安定期→不安定期→安定期→不安定期……というように、夫婦関係は円環を描きながら成長します。

不平・不満は成長の予兆

最初はお互いに遠慮しているから不平や不満も口に出しません。しかし夫婦関係に慣れてきて安心感が出てくればこそ、ちょっぴり不平や不満が口を突くようになってきます。今までのコンフォートゾーンの中に閉じこもっていてはいけない段階に達したわけです。傷つくかもしれません。傷つけてしまうかもしれません。不安です。それでも勇気をもってコンフォートゾーンを飛び出してみなければいけません。これを乗り越えないと、夫婦として次のステージには行けないわけです。

「最近なんだかぎくしゃくしているな」とか、セックスレス気味だとか、産後クライシスかもしれないとか、そういうときはことごとく、コンフォートゾーンを離れて、二人で不安を共有しながら、恐怖と戦いながら、新たなステージにあるコンフォートゾーンまでの「冒険」に出なければいけないときです。そういうときこそ夫婦のチームワークが試されているのです。夫婦のフォーメーションを進化させるときなのです。

そこで不安に負け、「そんなの嫌だ」「傷つきたくない」とコンフォートゾーンにしがみついていると、夫婦関係は本当に腐って死んでしまいます。離婚までに至らなくても、精神的な意味での夫婦関係は終わるのです。

大切なのは変化を恐れないこと。傷つくこと、傷つけることを恐れないこと。自分を大切にし、同じように相手を大切にすること。どんなことがあっても二人で力を合わせれば新たなステージのコンフォートゾーンにたどり着けると信じて、不安の解消に向けて向き合い続けること。

そうすれば、夫婦関係は常に新鮮であり続けます。新婚のときのような単純なドキドキ感はなくなるでしょうけれど、きっとそれ以上にお互いがかけがえのない存在だと思えるようになってくるはずです。二人で乗り越えた「冒険」のすべてが二人の財産になります。

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