JR石巻線、少しづつ運転再開区間を延伸
震災後、石巻線は懸命の復旧作業を続け、小刻みに運転区間を延ばしていった。
2011年5月、小牛田(こごた)~石巻、運転再開
2012年3月、石巻~渡波(わたのは)、運転再開
2013年3月、渡波~浦宿(うらしゅく)、運転再開
そして、2015年3月、浦宿~女川、一部区間を移設して全線での運転再開にこぎつけたのである
石巻線の車窓から
では、石巻線の旅をしてみよう。東北本線の小牛田駅から分岐する石巻線は、平野を東に向けて進む。それほど起伏のない路線で、広々とした田園風景が続く。途中、前谷地で気仙沼線が分かれる(ただし、柳津までの運転で、その先は、BRTと呼ばれるバスによる仮復旧のままだ)。石巻で、仙石線と合流。乗換客など乗り降りが多く、かなりの時間停車する列車もある。
石巻を出ると、旧北上川を渡り、山裾を右へ曲がり、トンネルを抜けて渡波に着く。このあたりは、地形の関係もあって半周するように線路が敷かれている。次の万石浦(まんごくうら)駅は、絶景車窓が望める万石浦とは離れていて、万石浦を見に行くなら、次の沢田もしくは浦宿で下車するのがよい。沢田駅を発車すると、列車は万石浦に沿って走る。津波対策の堤防が高くなったものの、車窓の妨げにはなっていないのは幸いだ。
浦宿からは、この3月に開通した区間だ。女川街道と並走して進み、分かれてトンネルを抜け、右にカーブすると新しい女川駅に到着する。駅周辺は、造成工事の真っ最中。復興作業が終わったとき、どのような街になるのか楽しみである。