アートクレイシルバー

リサイクルから生まれた銀粘土の話

レントゲンフィルムや現像後の廃液には「銀」が含まれていることをご存知ですか?アートクレイシルバーは、こういったレントゲンフィルムや現像廃液等を回収して精製された銀を100%使用しています。リサイクルという環境保全の取組みから生まれたアートクレイシルバーですが、今回は、アートクレイシルバーの素材である銀をはじめとした「貴金属のリサイクル」について、少しお話したいと思います。

執筆者:平間 雅司

最近良く聞く「都市鉱山」とは?

世界中の埋蔵鉱物資源の残存量が減る中で、日本の地上資源の量が増えてきています。地上資源とは家電製品等に含まれる貴金属やレアメタルのことで、「都市鉱山」とも呼ばれています。
世界中の埋蔵量のうち、日本の地上資源として存在する銀の割合はなんと23%、金は17%にもなり、それぞれ世界で一位となっています。

グラフ1

資源枯渇が叫ばれる中、日本の地上資源に注目が高まる。


 

埋蔵資源と地上にある資源

石油や石炭等の資源は燃やすとなくなってしまいますが、金属等の鉱物資源は地球上から持ち出さない限り、地下資源から地上資源に移行しているだけなので、地球上での物質量は常に一定ということになります。
地下資源はいつかは枯渇してしまうので、掘り出した地上資源をリサイクルして使い続けることが重要なことが分かります。

グラフ2

地球上の鉱物資源の量は変わらない。


 

携帯電話に含まれている金

携帯電話やゲーム機等の小型電子機器には、多種多様な貴金属、レアメタルが使用されており、それらの集積度は高く、含有率が非常に高くなる傾向があります。
下表は携帯電話1台あたりに含まれる金属と含有量を示したものですが、金の340g/tという値は、一般的な鉱山の鉱石に含まれる金の濃度の約85倍にもなります。
現段階では資源の回収方法について様々な技術上の課題がありますが、仮に、2013年に日本で排出された使用済み携帯電話約4,000万台の全てから金の回収ができたと仮定すると、重量にして約2トン、金額にして約80億円分の金を資源として再利用できる計算になります。

表1

携帯電話1台に金が27mgも含まれている!


 

貴金属を含むスクラップにはどのようなものがあるのか?

宝飾品や歯科治療に用いられる金属、パソコンや携帯電話など、貴金属は様々な場面で使用されています。貴金属を含むスクラップにはどのようなものがあるのか?簡単にまとめてみました。

1.宝飾品、工芸品やその加工屑
多くの貴金属が含まれています。
2.歯科用金属
金、銀、パラジウム等が含まれています。
3.工業製品、工業材料
金、銀、プラチナ、各種レアメタル等が含まれています。
4.メッキ液、メッキ製品
金、銀、ロジウム等が含まれています。
5.基板、電子部品
金、銀、パラジウム、プラチナ、各種レアメタル等が含まれています。
6.レントゲンフィルム、現像廃液
銀が含まれています。

皆さん、参考になりましたでしょうか?
これらのスクラップ品には鉱山から採掘される鉱石よりも高い純度の貴金属が含まれており、「都市鉱山」のリサイクルの大切さが、今後とても重要とされているのです。


そのような環境教育の必要性が求められている今、NPO法人純銀アート協会では、銀粘土による純銀アクセサリー作りの体験を通じて、環境保全に対する意識を育むことができる『環境クラフト』という新しいプログラムを作成しました。このプログラムは、自然学校や教育機関等において環境教育に取り組んでいただくためのインストラクターの認定制度です。ご興味のある方は、こちらもご覧ください。

環境教育と銀粘土体験がセットになった「環境クラフト」のご紹介



銀粘土による純銀アクセサリー作りを通して、今回お話したような「銀のリサイクルの仕組み」や「銀という貴金属の特性」などを学習することができる、「銀粘土でつくる夏休みの自由研究キット」も発売しています(期間限定)。

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※参考書籍「銀粘土を通じて考えるリサイクルと環境問題(北九州市立大学国際環境工学部 大矢仁史教授/NPO法人純銀アート協会監修)」
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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