亀山早苗の恋愛コラム/亀山早苗の恋愛情報

不倫・浮気を我慢することは美徳なのか?

東京で昨年起きた、妻による夫殺し。原因は、36年前の夫の不倫だった。当時、我慢した妻は、介護をしている夫からその不倫の話が出たとき、耐えがたくなったようだ。我慢していいことなど、なにもない。当時、妻が怒りを抑えたのはやむを得ないが、あのとき本気で怒っていたら、こういう事態になっただろうか。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

恋愛ガイド

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MariaSchaeferPhotography

思い出話? 妻にとっては何年経っても消えない心の傷だ。(c)Maria Schaefer Photography

昨年7月、東京・目黒。介護していた夫(当時79歳)を殴って死なせた、妻の裁判判決が先月6月末に出た。懲役3年、執行猶予5年。
急に介護が必要となった夫の状況に妻の気持ちが追いついていなかった、この事件。介護をしているうちに、36年前に夫が不倫したことがふと話題にのぼったという。夫は気が緩んだのか、その不倫相手を次第に好きになったことや旅行したことまで打ち明けたという。

妻は当時、夫と不倫相手が一緒に歩いているところを押さえている。夫は謝罪し、妻は子どもたちの前で夫を責めることもなかった。自分自身のプライドもあったのだろう。20歳で結婚して、夫以外の男性とつきあったことさえなかったという。

我慢しても「なかったこと」にはならない

bacoo-pix

我慢をせず、本気でぶつかることで気持ちを前向きに?(c)bacoo-pix

妻にとっては、忘れたくても忘れられない36年前のできごと。いい妻、いい母でいるために自分の心の奥深くにしまったはずのできごと。それを目の前の夫が、否応なく再びさらけ出していく。妻は耐えられなくなったはずだ。あの頃の悔しさ、情けなさ、女としてないがしろにされたつらさが、昨日のことのように蘇ったかもしれない。

もし、あのとき、妻が本気で怒っていたら……。夫に真剣にぶつかって、「私にとって耐えられない」「ばかにするな」と叫んでいたら……。夫はその事件を今になって蒸し返しただろうか。もし蒸し返したとしても相手の女性のことではなく、「あのときのおまえは怖かった」と、妻に焦点が当たったのではないだろうか。

>>筆者が取材した“我慢妻”たちのリアルコメントは次のページ
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