基本の撮影方法はバルブモードで長時間露光
星の軌道撮影の基本はバルブモード。長時間露光撮影のときに使うモード。「B」と表記される。
延長コードのついたシャッター、レリーズシャッターも必需品。機種に対応したものをそろえよう。
星の軌道の動きは目には見えない速度なので、長時間露光という方法で撮影します。長時間露光とは数秒以上の間、画像を記録し続ける方法です。
一眼デジカメを使っての長時間露光のセッティング方法は、撮影モードをバルブ(Bと表記されている)モードを選択します。バルブモードは、シャッターを押し続けている間、画像を記録し続ける長時間露光撮影を撮るときに使うモードです。
また、シャッターを押したままの状態にロックするためにレリーズシャッターも用意します。リモコンシャッターにロック機能があればそれを代用することも可能です。
バルブモードは撮影露出値をマニュアル設定する必要があるので、レンズのF値(絞り値)も選択します。F値の決定は、撮影する場所の状況により変わるので一概に決まったF値はありませんが、レンズの開放値(F4などそのレンズの持つ最も小さな値)に設定してから始めてみます。撮影して露出オーバーするようであればF値を絞り込んで撮影しなおしてみます。
ピント合わせは、マニュアルフォーカスに設定して無限大(∞)に位置で固定させます。ISO感度は街の明かりなどがフレームに入ってない夜空だけを写すのであればISO1600程度に設定するなどマニュアルで合わせる方法もありますが、慣れてない場合はオート設定でも撮影は可能です。
露出値、ISO感度などの設定値については、試し撮りをして微調整していく方法が確実です。
カメラを三脚に固定して撮影するフレームを合わせれば準備完了です。
こまめに撮って、編集ソフトで画像を一枚に集約
星の動きは1時間で角度にして約15度分動きます。つまり15度分の動いた軌道が写真に写ることになります。ただデジタルカメラで1時間も露光させますとノイズが発生したり、街の明かりなどがフレームに入ったいると露出オーバーで真っ白に写ったりと適正な画像に撮れないことがあります。
そういった場合に星の軌道を撮影するときは、短いスパンで撮影して複数枚の画像を編集ソフトで一枚に合成するという方法で制作します。
例えば1時間の軌道を撮るのであれば、1分間露光させたものを60枚撮影して、画像編集ソフトの比較明合成という機能で一枚にまとめて仕上げます。
一眼デジカメを使って星の軌道を撮影する方法の一例をざっと解説しました。初めて撮る方には少しハードルが高いと感じられるかもしれませんね。実は、こんな手間をかけなくても簡単に星の軌道が撮影できる撮影モードがあります。
次のページでは簡単に星の軌道が撮れる撮影モードについてご紹介します。