面白い中国企業の技術力!遺伝子テストで子供の才能を判別
2010年5月23日(日)にフジテレビで放映されたエチカの鏡では上海バイオチップコーポレーションの遺伝子検査が取り上げられました。番組をご覧になられた方も多いと思いますが、子供の遺伝子検査を行うことによって、その子供の潜在的な能力がわかるというものです。たとえば、音楽の才能がある、運動の能力がある、注意力が高い、絵のセンスがあるなどです。遺伝子に基づく検査で潜在能力がわかって、それに見合った習い事をさせてあげることが出来れば、非常に効率よく才能を育ててあげることができるのではないかと思います。日本企業ではダイエットに関する遺伝子検査など、特定分野に関する遺伝子検査はあるようなのですが、子供の総合的な遺伝子検査というのは無い状況です。ですので実際に遺伝子テスト(遺伝子検査)を行うとすれば、このような代行業者経由で中国の企業で行うしかありません。技術力が高いかどうかは別として、日本企業がやっていないことをやっていることを考えると、中国もなかなか進んでいることをやっていると思います。ところで、この上海バイオチップは上場していないのですが、もしもこのような会社の株が買えたら非常に面白いですよね。同業他社でも上場している会社は無いのですが、日本ではあまり聞かない商品を作っているバイオチップという観点に関して言えば、何社かあります。たとえば、銘源医療(香港上場:0233)。同社の主力製品はC12という癌の検診セットです。すでに累計で1000万個以上販売実績がある製品。12種類もの癌の早期発見が、80%の成功確率で検査できる上に単価も安い優れものです。同種の商品は中国では他にありません(英国に同様の商品を持っている会社はありますが、中国へ未進出)。そして、中国最大の生命保険会社である人寿保険は同社の癌検診セットを使った癌保険を展開しています。ただ、期待とは別に長らく同社の業績は爆発的に伸びているわけではありませんので、同社の株が即買い、というわけではありませんが、面白い企業ではあります。
高い技術力を持つ製薬会社ということで言えば、中国で唯一のCRO(Contract Research Organization)企業である葯明康徳(米国にADRを上場(企業コードWX)も面白い企業です。CRO企業とは「開発業務受託機関」と訳され、主に製薬企業や医療機具メーカーが行う臨床試験に関わる様々な業務を代行、つまりアウトソーシングする業態です。具体的には顧客の医薬企業に成り代わって被験者と医療機関の間で臨床データの収集、分析、監視や品質管理などを行います。日本では新薬の開発に莫大な時間とコスト、手間がかかり、基礎研究段階で発見された新薬候補が実際に承認を受けて販売される確率は2万分の1と言われます。このような低確率の開発に対し、承認プロセスまでに発生する周到な安全性の確認作業について、今後ますますアウトソーシングで手間とコストをセーブしようという流れが増すでしょう。