ディオ110の走りは確実に進化した
走り出してすぐに先代ディオ110には無かったパワー感を感じました。先代ディオ110は走り出しもなかなか好調です。広報資料を見ると先代のディオ110が8.4ps/8250rpmだったところ、現行のディオ110は9.0ps/7500rpm。最大馬力を発生する回転数が下がり馬力自体も0.6ps向上。更に車体重量自体も3kg軽量化された為に加速性能がアップしている印象です。
初代ディオ110は良く使う30km/h~60km/hの速度域で再加速する際のレスポンスが悪く車線変更時に気を使うことがありましたが、新型ディオ110はこの速度域の加速感がするどくなり街中を快適に走りやすくなりました。
ブレーキの構造が初代ディオ110が3ポッドキャリパー、新型ディオ110が1ポッドキャリパーになっている為、制動力はかなり落ちてしまっているかな?と思ったのですが杞憂でした。梅雨時期の試乗とあってブレーキには気を使いましたが制動力に不安を感じることは皆無でした。
初代ディオ110から受け継いでいる前後14インチタイヤはコーナリング時に少し体重を後ろにかけながら曲がると非常に安定感があり10インチ、12インチのタイヤを採用している車輌よりも気持ちよく曲がることができます。
ライバルであるスズキ・アドレス110と比べるとどうだ?
同じ110ccクラスという排気量を持ち「安価・新型の低燃費エンジン・前後14インチタイヤ」などセールスポイントも重なる点が多い両車。メインのターゲットはASEAN地域のエントリー層です。
該当地域では安価な110ccモデルと豪華装備の125ccモデルが住み分けされ、安価な110ccモデルが人気となっています。装備自体は簡略化されていますが、それにしても街中を走るのには必要にして充分な性能といえます。
アドレス110とディオ110どちらも走行性能的には五分五分と言っていいでしょう。ユーティリティーで言っても足元のスペースやリアキャリアの使い勝手、シート下収納スペースもあまり変わりません。
またディオ110に関してはアドレス110にはないアイドリングストップ機能が搭載されていますが、前述した問題点があります。価格に関してはディオ110が22万8960円(税込み)。アドレスは20万5200円(税込み)ですので、2万円ほどディオ110の方が高く設定されています。
しかしディオ110にはアイドリングストップシステムや初心者には優しいコンビネーションブレーキシステムが搭載されている事を考えると決して+2万円は高いとはいえません。
走行性能、ユーティリティー面も甲乙つけがたい両車。車体の軽さ軽快さで選ぶならアドレス110。燃費性能で選ぶならディオ110というところでしょうか。どちらを選んでも間違いないと思いますが、重きを置く性能面で選ぶとよいかもしれません。
ディオ110のエンジン音 マフラー音 各部詳細はこちらの動画でご確認下さい
ライバル スズキ アドレス110の試乗インプレッション記事はこちらです