ハイエンドなマイコンを内蔵したトースターの実力

そんなバルミューダが、今回またも同じような視点で復活させようとしているジャンルがある。それがトースターだ。
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トースターは、せいぜい3000円も出せばほとんど買えてしまうくらいの市場であり、扇風機同様、各大手メーカーにとっては、まったくおいしくない市場である。とはいえ、今回バルミューダが「BALMUDA The Toaster(バルミューダ ザ・トースター)」という製品を開発したことで状況が変わるかもしれない。

バルミューダは毎日食べるようなコンビニパンを、完璧な温度制御とスチームを使って焼き上げることで、ベーカリーも驚くほどのパンの焼き上がりを実現した。「外側はパリ、内側がしっとりふわっ」という、食感のコントラストが非常に高く、まさに美味しさの黄金比をどんなパンでも実現してくれる。そんなトースターを作り上げ、ユーザーに新たな価値観を植え付けるようとしているのだ。

バルミューダ ザ・トースターでは、パンを焼くときの水分にも着目した。

バルミューダ ザ・トースターでは、パンを焼くときの水分にも着目した。

そのために、扇風機のDCモーター同様、これまでどこも採用しなかったハイエンドなマイコンをトースターに内蔵した。これにより、水分の膜でしっとり覆う60℃、旨味をしっかり引き出し始める160℃、焦げ目がかりっと着き始める220℃という3つの温度帯を、どんなパンでも最適に組み合わせて焼き上げるアルゴリズムを実現することができるようになったのだ。

こちらは予約販売は開始された段階なので、今後どのように売れて行くかは分からないが、少なくとも同社のオンラインショップでは、すでに発表された2015年5月27日の初日に予約した段階で、7月出荷になると伝わって来たほか、蔦屋家電の店頭で試食イベントをやった結果、その場で用意したとされる100台の出荷分は、すべて予約完売したということで、大きな市場を生み出すだけの可能性は十分秘めているようだ。

トースターの技術は大手家電メーカーはもちろん、中堅のジェネリック家電を扱うようなメーカーでさえも、どこにでもあるような枯れた技術。だからこそ、それらを使って、多くのメーカーが参入する可能性は十二分に考えられ、結果、高級トースター市場というのができるのも時間の問題だろうと予測される。

このようにバルミューダの戦略、つまり、コモディティ化してしまったと思われるジャンルにあえて目を向け、実はこうして欲しいというユーザーニーズがあるところをしっかりと掘り起こし、高付加価値製品を送り出す戦略は、これからの日本の家電メーカーが、実はグローバルで戦って行くにあたり、率先して見習うべきひとつの正解ではないだろうかと強く思うのである。

【関連サイト】バルミューダ公式サイト


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