高岡の足「万葉線」アイトラム
富山から西へ向かうと高岡市があり、ここには万葉線という路面電車が走っている。高岡駅から米島口までの8kmは路面を走ったあと、専用軌道に移り、能町口付近から中伏木の手前まで再び道路上を走り、その先、終点の越ノ潟までは専用軌道と少々複雑だ。
従来からの車両に代わり、2004年にアイトラムと呼ばれる新型低床式車両が導入された。うち1編成は地元出身の藤子・F・不二雄氏にちなみ「どらえもん電車」となって人気を博している。富山市同様に路面電車をJR高岡駅ビル内に乗り入れ利便性向上を目指したが、北陸新幹線の駅は高岡駅とは離れた新高岡駅となり、せっかくの新駅も新幹線アクセスに関しては功を奏していない。
福井鉄道は、ようやく近代化がスタ-ト
福井はJR福井駅から少し離れた繁華街に福井鉄道の福井駅前停留場がある。路面電車の線路ではあるが、福井鉄道は一部区間のみが道路を走るだけなので、一般の鉄道車両が路面区間に乗り入れてくるという珍しい光景を見ることができる。ホームは路面電車用のもので低い。そのため、一般車両は駅に到着するとドア下からステップが出てきて、それを使って乗り降りすることになっている。
しかし、路面電車タイプの車両が増え、FUKURAM(ふくらむ)という低床式の3車体連接車や話題作りに土佐電鉄から購入した元ドイツ・シュトゥットガルト市電(レトラム)が週末に走るなど鉄道ファン注目の鉄道である。
将来の北陸新幹線福井延伸に備えJR福井駅前は工事中であるが、福井鉄道福井駅前停留場をJR福井駅直近に移設する準備を進めている。福井鉄道の北の終点である田原町からはえちぜん鉄道に乗り入れる計画も実現に向けて工事中である。福井鉄道もまもなくリニューアルされる模様だ。
以上、北陸の路面電車事情をレポートしてみた。新幹線や在来線特急だけ鉄道を利用するのではなく、ぜひ各都市での路面電車による市内散策も楽しんでみたいものである。
【関連サイト】
富山地方鉄道の市内電車(1~3系統)(セントラム、サントラムなど)
富山ライトレール(ポートラム)
万葉線
福井鉄道