安心で、納得のリフォームにするためには事前の打ち合わせが重要です。特に見積り書を取る時には大切なポイントがたくさんあります。
その中でも特に重要なこととして「見積り」をチェックすることが挙げられます。リフォームの経験がなくとも、ほんの少しだけでも見積りの読み方や理解の仕方を知っていれば、その後のリフォームでトラブルを大幅に防ぐことができるのです。
今回は知っているだけでその後の結果が違ってくる、リフォームでガッカリしないための見積りの取り方、打ち合わせの仕方についてご紹介いたします。
見積り書で施工範囲を明確にする
複数の業者から見積りをもらう「相見積り」であろうと、普段からお付き合いのある特定の1社からお見積りをもらう場合であろうと、リフォームの見積りで最も重要な事柄の一つとして「施工範囲を明確にする」ことがあります。通常、リフォームの見積りをもらう前には現場調査を行い、施主と業者が立ち会い、どこからどこまでを施工するのかを特定させ、それから見積りを作成してもらうようになります。
では具体的な見積り事例を見てみましょう。次のような見積り書、内訳書の記載方法では皆さんはどのように感じるでしょうか。
俗にいう「一式書き」の見積りです。施主との打ち合わせを受けて、業者側はトータル187,000円で提示しています。では次の場合はどうでしょうか。
どちらも合計金額は同じです。ですが見積りの書面から施工面積をしっかりと把握できるのは【見積り事例2】の方です。現場調査の時はお互いに打ち合わせの内容(施工箇所など)を良く覚えていたとしても、人間の記憶は不確かなものであり、ましてや打ち合わせ担当者が施工担当者や職人にその内容を的確に引き継げるかどうかはわかりません。
さらに、業者側もお客様にリフォームを提案するにあたって工事原価を把握する必要があるのですから、社内的にも【見積り事例1】の報告では使用する材料や範囲があいまいで、こういった工事に対してどんぶり勘定、すなわち原価意識の低い業者である可能性が否定できません。
ちなみに、【見積り事例2】でも「一式書き」が使用されていますが、これは上の行のフローリング工事に対しての消耗部材ということがはっきりと読み取れます。「一式書き」が悪いのではなく、施主に対して説明があいまいになる部分に「一式書き」を用いている点で【見積り事例1】は好ましくないと言えます。
施主にわかりやすく、そして施工担当者にもわかりやすく伝えようと考える業者であれば、平面図などを活用して施工範囲を図示してくれます。
次のページでは、見積りをもらうときに一緒にチェックしておきたい「工程」「お金」のポイントをご紹介します。