イメージを一新したパパサンアール
スポーティでコンパクトなサイズ感から、日本人向けモデルとも言われるスポーツスター。現在はXL1200X フォーティーエイトやXL1200V セブンティーツーといったファクトリーカスタムモデルが人気を集めていますが、その名にあるとおり、スポーツスターとはハーレー流のスポーツバイクという解釈から生まれたモデルで、本来の姿を今に伝えるのがこのXL883R、通称パパサンアールです。タイヤサイズやタンクの大小、シート、ハンドルのタイプ違いなどなど、最新スポーツスターにラインナップされているモデルはタイプごとに異なるパーツを用いられていますが、スポーツスター本来のオーソドックスなスタイルは、フロント19インチ & リア16インチホイールに容量12.5リットルのスポーツスタータンク、しっかりと伸ばされた前後サスペンションありき。
2009年までにラインナップされたスタンダードモデル XL883 を軸にスタイル展開するのがスポーツスター開発の流れでした。今回紹介するXL883Rもその派生モデルのひとつで、往年のファクトリーレーサースタイルをキャラクターとして備えた一台なのです。
オーソドックスなスタイルこそ魅力
現在のモデルラインナップにあるスポーツスターは計9台。このXL883Rを除く8台はいわゆるローダウンモデルと呼ばれる仕様で、またがった際の足着きを良くすることと、多くのカスタムスタイルの素地となるロースタイルを目指したもの。ハーレーダビッドソンと聞くと「大きくて重い」という印象があると思いますが、しっかり地に足が着けば、取り回しに対する不安も払拭されます。XK883Rは、他のローダウン仕様モデルと比べてもしっかりとした高さを保っています。そもそも目指したものがロードレーサースタイルだったからというのも理由ですが、オートバイに必要なバンク角を保てることも目的のひとつなのです。
ふたつの車輪で支えられるオートバイはカーブに差し掛かった際、このように進行方向に対してバイクを傾けてクリアーしていきます。路面に対して“面”で支えるクルマと違い、“点”でバランスを取る構造ゆえの挙動なわけですが、ローダウン仕様だとバンク角(オレンジの線)がノーマルのそれより少なくなるため、ステップやマフラーをこすったりしてしまいます。
ただ、よりスタイリッシュさを求めたのがローダウン仕様なので、「走りを犠牲にしてでもスタイルを優先したい」のか、「きちんと走れる仕様でないと面白くない」のか、好みを明確にしたうえでバイク選びをされると良いでしょう。
オーソドックスなXL883はラインナップから姿を消しましたが、スポーツライドを楽しむために生み出されたスポーツスターの歴史を思うと、パパサンアールこそスポーツスター本来の魅力を今に伝えるモデルと言えるでしょう。
続いては、新しくなったグラフィックやXL883Rを選ぶメリットについてご紹介します。
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