米国企業の業績悪化の中でドル高&原油安トレンドは終焉か?
米国企業はマイナス成長へ!日本株にも激震が走る?でも書きましたが、米国の企業収益がマイナス成長に転じる中で、ドル高&原油安が方向性を転換しつつあるように見えます。以下はドルインデックスと原油価格の推移チャートですが、どちらも足もとでは基調が反転していることが分かります。2015年の米国株は上昇基調を保ってはいるものの、ニューヨークダウは年初来で若干のプラスを保っている状況で、中国株や日本株、欧州株と比べて大きく見劣りしています。その要因はドル高と原油安にあると思います。2015年1-3月期の米国企業業績を見ると、為替によって売上高・利益を減少させている姿を鮮明にしています。
また、米国時価総額の多くを占めるエネルギー企業の決算は原油安で業績が悪化し、万人単位のレイオフ(企業業績悪化を理由とする一時的な解雇)や数十億ドル単位の設備投資削減が実施されているところです(このため、雇用統計など、米国の経済指標にも悪影響が出ている)。一方、ドル高(=円安)と原油安は日本株にとっては好ましい環境で、円安と原油安によってダブルメリットを受ける企業が多く存在します。そしてこれらの差が年初来の日米株価差に繋がってきたのだと思います。
原油価格の反転とドル高是正が徐々に進展
このまま原油高&ドル安トレンドは定着するのか?
日本株にはもちろんGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)を中心とした年金勢の買いという特殊要因が続くものの、今後も原油価格の反転とドル高是正が進むのであれば日本株にとってはネガティブなニュースになりますので要注意です。年金勢が買い支えている間は下げにくいとは思いますが、仮に2015年秋ぐらいから年金勢のポートフォリオの調整が完了し、矢玉が尽きはじめてくると、不安が残ることになります。
参考:グローバルグロースレポート
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