欧州屈指のエリート集団が武藤に注目
日本代表の武藤選手に、超名門クラブのチェルシーからオファーが。
西ロンドンに本拠地を置くこのクラブは、イングランド・プレミアリーグではつねに優勝候補にあげられ、欧州の強豪が集うチャンピオンズリーグでも上位進出の常連だ。
現代サッカーきっての名将と言われるジョゼ・モウリーニョが率いるチームには、各国代表クラスがズラリと並ぶ。MFラミレスとMFオスカルはブラジル代表、GKティボ・クルトワとMFエデン・アザールはベルギー代表、MFセスク・ファブレガスとFWジエゴ・コスタはスペイン代表、キャプテンのジョン・テリーはイングランド代表だ。
昨夏のW杯で日本を下したコートジボワール代表からも、FWディディエ・ドログバとMFファン・クアドラードが名を連ねている。国内リーグだけでなく複数の大会を並行して戦うため、ハイレベルチームを2つ編成できる戦力を揃えているのだ。充実の陣容には、欧州屈指のエリート集団との表現が当てはまるだろう。
全38節のうち32試合を消化した今シーズンのリーグでは、23勝7分2敗の勝点76で首位を快走する。残り6試合で勝点9を上積みすれば、09-10シーズン以来5シーズンぶりの優勝を勝ち取る。
スポンサーだけがオファーの理由ではない
そんなチームが、なぜ武藤に興味を示したのか?今年夏開幕の2015-16シーズンから、チェルシーは日本のタイヤメーカー『横浜ゴム』とスポンサー契約を結んだ。これにより、横浜ゴムはチェルシーの選手を起用した宣伝が可能となる。
『ブルース』と呼ばれる伝統の青いニュフォームに身を包んだ選手のなかに日本人がいれば、宣伝効果が高まるのは間違いない。そこで、日本代表としても売出し中で、ルックスも抜群の武藤に白羽の矢が立った──という見かたはできる。
もっとも、日本企業がスポンサーになったからといって、チェルシーが無条件で武藤にオファーを出したわけではないはずだ。
チェルシーは韓国の『サムソン』ともスポンサー契約を締結しているが、韓国人選手はいない。イングランドやスペインのリーグには多数の中国企業が参入しているが、中国人プレーヤーの欧州移籍とは歩調が合っていない。
世界有数のクラブから、武藤がその実力を認められたのは確かである。