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ヤ軍・田中が復活、右ヒジ不安払しょくの今季2勝目

ヤンキースの田中将大投手が今季3度目の先発で7回2安打無失点、8奪三振、無四球で2勝目を挙げた。

瀬戸口 仁

執筆者:瀬戸口 仁

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昨年5月以来の無失点投球で2勝目

見事な投球で2勝目を挙げた田中投手。ストライク率も昨年の本来の数字に近づいた。

見事な投球で2勝目を挙げた田中投手。ストライク率も昨年の本来の数字に近づいた。

ヤンキースの田中将大投手(26)が4月18日(日本時間19日)、フロリダ州タンパでのレイズ戦に今季3度目の先発。7回2安打無失点、8奪三振、無四球と快投し、2勝目(1敗)を挙げた。

7回までとはいえ、田中の無失点投球はメジャー初完封を飾った昨年5月14日(同15日)のメッツ戦以来。クオリティスタート(6回以上自責点3以内)は昨年6月28日のレッドソックス戦以来、7試合ぶりとなった。

田中は一回、先頭のデへススにスプリットを中前打された。しかし、その後は圧巻。MAX94マイル(約151キロ)のストレートに、スプリット、カーブ、スライダーとすべての球種が切れて、15打者連続で打ち取った。

六回、先頭のガイヤーにツーシームを左翼線へ二塁打され、16打者ぶりの出塁を許したが、後続を空振り三振、空振り三振、三ゴロと斬り、渾身のガッツポーズを作った。七回も3人でピシャリと締め、計85球。そのうちストライクは58球で、ストライク率は68%と昨年(ほぼ70%)の本来の数字に近づけた。

「全体的に良かった。真っすぐ中心でアグレッシブにいけた。(六回無死二塁となってからも)絶対ゼロで切り抜けるんだという気持ちでいった。いい投球ができた」

前回、前々回と表情が明らかに違う。4月6日(同7日)の開幕ブルージェイズ戦では変化球の割合が多く、ストレートは全82球中6球しかなかった。その結果、4回5失点(自責4)で敗戦投手に。勝利投手となった12日(同113日)のレッドソックス戦ではストレートの割合は増えたが、スプリットの制球が定まらず、5回4失点(自責3)とスッキリしなかった。

しかし、この日は「すべてのボールを使ったと思う。それが大きな違いだ。ストレートの制球が向上し、球速も上がっている。カーブもスライダーもスプリットも非常に効果的だった。すべての武器を持っているのなら、長いイニングを投げられる」とジラルディ監督が絶賛。


批判続きだったメディアもいっせいに手のひら返し

それに呼応するように、前2試合の内容を散々叩いていた地元メディアもお得意の手のひら返しだ。デイリーニューズは「おかえりなさい、マサヒロ・タナカ。ヤンキースのエースは輝ける7イニングでレイズを支配した」と賞賛。ESPNも「最高の技術を持つタナカは今夜、失望させなかった」と褒め、MLB公式サイトは「マサヒロ・タナカが昨季の圧倒的な姿の奪還へ大きく前進した」と称えた。

開幕2試合は1勝1敗ながらピンチで粘り切れず、防御率は7.00に沈んだ。球速の低下が全米中の話題となったが、この日のピッチングで防御率は3.94と一気に改善したため、批判は収まるだろう。

「次も同じような投球ができるように頑張っていきたい」

右ヒジに異変を生じる前の圧巻の投球を思い起こさせる快投。ヤ軍が3年ぶりのプレーオフ進出を果たすためには、エース田中のさらなる快投が必要不可欠となる。
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