家計簿・家計管理/家計管理の基本

住居費が家計を圧迫?マイホームは本当に必要か?

「マイホーム」を持つことは普通のことでしょうか?マイホームは大きな買い物です。大きすぎる買い物をしてしまうことで、人生が窮屈になっていませんか?そもそも自分の人生において、どのような「住まい」がいいのか?今一度考えてみませんか?

二宮 清子

執筆者:二宮 清子

家計簿・家計管理ガイド

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マイホームを持つ事が「普通」でしょうか?

以前、家計管理で浪費家を脱出した3つの方法でもお伝えしましたが、(家計管理で浪費家を脱出した3つの方法)

「この死ぬまで1000万円以上赤字が続く、キャッシュフロー表を見て、夫婦で一緒に家計について考える必要があると思った私はその日から連日連夜、夫とこれまでのお金の使い方を振り返り、家族の将来とお金について話し合いました」


この時に、「マイホームはどうするか?」という事も話し合いました。結婚して子 どもを授かると、次はマイホーム…という流れが一般常識のように思われています。親からも家はいつ建てるのか?と言われるようになります。しかし、普通にマイホームを構え、普通に子どもを大学に出そうと、一般的に言われる「普通」をしようとすると家計が破綻して「普通」の生活ができなくなることに気付いたのです。

その「普通」は誰にとっての「普通」か?

この「普通」はどうやら親世代の「普通」であって、私達の世代に必ずしも当てはまる「普通」ではないのでは?と気付きました。親世代が過ごした高度成長期は、消費が高まると同時に年収が増え、終身雇用や退職金制度、年金制度がしっかり確保されていた時代でしたので、マイホーム、教育にお金をかけても老後が困ることがありませんでした。しかし時代は変わり、「所得格差」という言葉をよく耳にするように、家計も世帯によって大きく差が出るようになりました。親世代にとっての「普通」を手に入れることは、とても難しい時代になったと言えます。

ライフプランにおいてどのような「住まい」が必要か?

このような現実を知り、人生における「優先順位」を夫婦で話し合いました。そうすると、私達夫婦の人生において大切なことは、子どもの教育、大好きな家族旅行といったことが優先され、「マイホーム」は大きなテーマではではないことに気付きました。転勤族という事も大きな要素でした。

そもそも、自分達の人生においてどのような「住まい」が必要か?考えてみると、以下のような答えが導き出されました。

・環境が良い
・家族4人が住むに困らない広さ
・来客があっても恥ずかしくない程度の家

このような「住まい」ならば十分という考え方で納まったのです。それらの条件を満たすなら、新築・中古・賃貸・戸建・マンション、どれでも構わず、無理して「住宅ローン」を持つ必要はないということに気付きました。ずっと賃貸という選択をしてもお互いの実家があることで、老後の住まいに困ることはありません。

又、私達夫婦の将来の目標に「沖縄に住む」というものがあります。将来、沖縄に住むのであれば、マイホームや住宅ローンといったものは余計なモノになるとも言えます。住宅ローンを背負わないという選択は夫にとっても肩の荷が下りた瞬間だったようです。

住宅ローンの有無で将来の家計や人生がどうなっていくのか?

多くの家計相談を受ける中、家計の負担が大きいのはやはり「住宅ローンの返済」です。マイホームを検討している間は目の前の「マイホーム」に気をとられ、ついつい資金計画が甘くなりがちです。またファイナンシャルプランナーに資金計画を相談する人はまだまだ少ないのが現状です。以下は一般的なマイホームを持つメリット・デメリットですが、自分と家族の人生にはどのような「住まい」が必要なのか?考えてみてください。

<マイホームを持つメリット>
・満足感が得られる
・資産になる(物による)
・社会的信用を得られる
・安心感や安定感が得られる
・自分で好きなようにDIY・リフォームができる

<マイホームを持つデメリット>
・長期の住宅ローンの返済に追われる
・固定資産税や火災保険、修繕費のコストが発生する
・容易に引越せない

「マイホームを持って一人前」という価値観は年齢が高い方ほど、まだ根強く残っているように感じますが、私は人にどう思われるか?ではなく、自分はどう生きたいのか?という自分軸をまずはしっかり持つ事がとても大事だと思っています。

マイホームが欲しいという感情は、ただの物欲や所有欲、他人への見栄なのか?それとも自分と家族の幸せには欠かせないものだから欲しいと思っているのか?

その結果、マイホームが必要だとすれば、マイホーム取得に向けしっかり準備を始め、住宅ローンを払いながらでも、自分と家族が幸せになる資金計画を立てていけば、マイホームからたくさんの幸せや豊かさが生まれることでしょう。

しかし、親に言われたから、周囲が持ち始めたから、といった他人軸や、安易な資金計画では、幸せになるどころか、「住宅ローンの為に我慢」といった窮屈な人生、更には返済できずに手放す、競売・自己破産と家族の生活を守ることすらできなくなりかねません。

お金は幸せに豊かになる為のひとつの道具です。幸せに豊かになる為のあなたらしい「住まい」は一体どんなものでしょうか?ご家族とじっくり話し合ってみてください。このように夫婦や家族で向き合うことで更に家族の絆が深まり幸福度は高まるという「副産物」も実は隠されているのです。

しかし…こんな私もその後、マイホームを持つことになってしまった…という後日談がまだあります。これだから人生は面白いですね。続きはまた次回、お伝えしましょう。

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