世界一のチームで世界一のリードオフマンを目指す青木
マイナースタートとなったブルージェイズの川崎宗則内野手以外の9選手のうち、レンジャーズのダルビッシュ有投手(右ヒジ靭帯再建手術)、藤川球児投手(右股関節痛)、レッドソックスの上原浩治投手(左太腿裏の張り)、カブスの和田毅投手(左太腿痛)と4選手がDL(故障者リスト)入りしてしまった。
残る5選手のうち、野手はともに新天地のマーリンズのイチロー外野手(41)とジャイアンツの青木宣親外野手(33)だが、最高の滑り出しを見せたのは青木の方だった。
ロイヤルズから昨年の世界一に輝いたジャイアンツに移籍した青木。オープン戦は打率1割台だったが、「今までの自分が認められてこのチームに来た。2015年に世界一になれるように頑張りたい」と気を引き締めて臨んだ今季に、いきなり結果を出した。
4月6日(日本時間7日)、アリゾナ州フェニックスでのダイヤモンドバックスとの開幕戦、“1番・左翼”でスタメン出場した青木は、5打数2安打。開幕戦でマルチ安打を記録するのはメジャー4年目で初めてで、5対4の白星スタートに貢献した。
7日(同8日)の第2戦は5打数1安打、そして、8日(同9日)の第3戦が4打数3安打1打点。今季初の3安打と今季初打点をマークし、リードオフマンとして開幕カードを2勝1敗の勝ち越しに導いた。
この開幕3試合で14打数6安打の打率.429。「今のところ順調にきている。イメージそのままのプレーができている。しっかり毎日、コンディションを整えて試合に臨めている。シーズンの入りとしてはいい。この調子でいきたい」と青木は手応えをつかんだ。
左手の使い方と、素手が好調の要因に?
好調の要因は(左手)にある。メジャー4年目で初めて公式戦で左手に皮手袋を着けず、素手で臨んだ。理由は、課題である長打力アップと持ち前の左方向への打撃にも、左手の押し込みは必要不可欠で、キャンプ前半から「左手の感覚を研ぎ澄ますため」に試していた。その結果、6安打中4本が中堅から逆方向で、しかも打球は力強い。「左手の使い方が良くなった感じはある」と実感を口にした。
9日(同10日)のパドレス戦(サンディエゴ)でも3打数1安打2四球で、開幕から4試合連続安打をマーク。打率は.412で、出塁率は驚異の5割を記録。チームも延長12回を1対0で競り勝った。
「こういう試合を取らないといけない。チーム全体の勝利という感じがする。(打撃の)感じは悪くない。出塁することがすごく大事だと思うし、それが今はできている」
青木は今季、世界一のチームで世界一のリードオフマンを目指す。