女性は話すことでストレスを吐き出す
男が最後まで話を聞けない理由
ママに限らず、パートナーの男性に対して、「人の話、ちゃんと聞いてるの?」と思った女性は多いのではないでしょうか。
一方、パパたちからは、「妻の話が長くて困る」「何か言うと怒るから、黙って聞いているとまた怒られて、どうしたらいいのかわからない」などという愚痴を聞きます。
なんだかお互いの言い分がかみ合っていません。
ボタンの掛け違いはどこで生じているのでしょうか。
女性は、自分の心の中の喜怒哀楽を、誰かに話すことでストレスを解消するのが好きなようです。
昼下がりの喫茶店で、おばさまたち数人が話をしているのを聞くと、それぞれに言いたいことを言っていて、お互いの主張が微妙に食い違っていてもお構いなしで全然関係ない別の話題に移っていくという、超絶の会話が聞こえてくることがあります。
あまりに論理が飛躍していたり、思い込みをベースにした発言をしていたりするのが聞こえてくると、隣の席からツッコミを入れたくなるくらいです。
もちろん個人差はありますが、一般的な傾向として、これはみなさんだいたい納得ではないでしょうか。
実はこの状況、カウンセリングのやりとりに似ています。
心の中にあるものを吐き出すときは、論理なんて二の次です。
思ったこと、感じたこと、それをそのまま言語化することで、心の異物を吐き出しているのです。
心の異物を吐き出しきるまでしゃべりきることが目的であって、それに対する解決策はそもそも求めていません。
そう考えると、どうも、気心しれた女友達って、無意識のうちにお互いにカウンセリングしちゃえる間柄みたいなんです。
で、ときどきパートナーの男性をつかまえて同じ事をしてみようと試みるわけです。
それが間違いのもとなのです。
男性はつい解決しようとしてしまう
男性は、話を端的に、論理的に整理しようとします。だから、「要するに何?」とか、「だから?」とか、結論を急ぎます。
女性からしてみると、まだ心の異物を吐き出していないのに、話の腰を折られるように感じるわけです。
しかも男性は、「じゃ、こうすれば」とか「結局○○ということでしょ」とか、最悪のケースには「それってキミも悪いじゃん!」などと、アドバイスや評価、批判の言葉を返してしまいます。
特に子育て中のママからこの手の文句が多いのは、日中子どもとマンツーマンしているから、女友達との「相互カウンセリング」が不足しているからではないかと思います。
男性は、仕事帰りで頭が仕事モードになっているときは特に、目の前に解決すべき課題があると、「解決モード」にスイッチが入ってしまい、最短時間で最大効果を発揮するようなソリューションを提案したくなってしまいます。
仕事の場面ではそれはとっても頼もしいのですが、心の異物を吐き出したいだけの女性のニーズとはずれているわけです。
男性としては、「ちゃんと話を聞いて、ポイントを整理して、完璧な解決策まで提案したのに、なぜ怒られるの?」となるわけです。
女性からしてみると、「いつあなたのアドバイスがほしいなんて言った?」ということになります。
ボタンの掛け違いは、こうして起きていたのです。
お互いにうまくやるためのテクニック
かといって、男性がうなずきもせず黙って聞いていると、それはそれで女性は怒り出します。アドバイスはいらないけれど、話の腰を折らない程度の反応はほしいわけです。
だから私は、講演会などでパパたちにお話しするときは、次の3ポイントをアドバイスします。
1 相づち=適度にうなずく。「うん」「へ~」などの相づちを打つ
2 オウム返し=「○○と感じたんだね」などと、言われたことをそのままオウム返しする
3 イタネギ=「それは大変だったね」「よく頑張ってると思うよ」などと、いたわり・ねぎらいの言葉をかける
「自分の価値観は置いておいて、上記3つのポイントをこなすことだけに徹すれば、あとは嵐が過ぎるのを待つだけです」とも(笑)。
ただし、ママたちにもアドバイスすることがあります。
1 相手の頭が仕事モードになっているときは避ける
2 15分以上は話さない(男性がとりとめもない女性の話につきあえる限界は平均で15分という調査結果があります)
「男と女は、完全にわかり合えることもなさそうだけど、全くわかり合えないわけでもない」というくらいに考えて、お互いあまり期待しすぎないようにしましょう。
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