猛スピードで動くメーターがある?!
旅慣れた人ほど、タクシートラブルが多いらしい
モロッコのマラケシュで、メータータクシーに乗った時のこと。タクシーが発車して間もなくの頃、ふとメーターに目を向けてみると、異様な速さでメーターが進んでいくのです。メーターに改良が加えられている!?と焦ったガイドは、タクシーを止めさせました。郊外だったら危険ですが、まだ数十メートルしか走っておらず、街中で人通りも多かったこともあったので。訝しげながらもタクシーを止めたドライバーにメーターがおかしいことを伝え、別のタクシーをつかまえると告げました。するとそのドライバーは、悪びれた様子もなくここまでのタクシー代を払え、と言うのです。騙していたことを棚にあげて。ガイドも、頑に払わないと言い張り、「嫌なら警察に行こう」とまで言いました。現地では一切使えない携帯電話を取り出し、警察に電話をするふりをしたところ、焦ったドライバーはブツクサ言いながら、タクシーを走らせて行きました。
ガイドの経験をもとに、海外でタクシーに乗る際に気をつけるべきことを6つご紹介します。
その国のタクシー事情をチェックする
宿に帰ってガイドブックをチェックしたところ、モロッコではメータータクシーでも油断は禁物とのこと。「深夜料金」ボタンが光っていたら、50%も割増し料金が発生するようです。その国々によって、タクシーのトラブル事情が違うので、事前にガイドブック等でチェックするとよいでしょう。ちなみにトラブルにあった後に別のタクシーに乗った際も、深夜料金のボタンが光っていました。外国人を見れば、分からないだろうとランプをつけるようです。「このランプ!」と指しながら言うと、あたかもうっかり間違えたと言わんばかりに、素直に深夜料金ランプを消してくれたので、言ってみて強く出ても危険が及ばないか、探ってみるのもよいでしょう。夜間や深夜に、タクシーを利用しない
「できるだけタクシーに乗らない」というのも、タクシートラブルを避ける一つの手です。特に夜間や深夜などは交通手段がタクシーしかない場合もあるかもしれません。でも夜間や深夜にタクシーを使わないと移動できないような旅程自体が、間違っている可能性があります。特に現地に到着する便が、夜間や深夜しかない場合もありますが、ガイドは夜に到着する便は絶対に選ばないようにしています。直行便だと夜間や深夜にしか到着する便しかない場合は、乗り継ぎ便にする等、旅程自体を見直すようにしています。特に女性の一人旅は、十分すぎるほど注意してくださいね。白タクには乗らない
白タクと聞くと、車体が白いタクシーを想像するかもしれませんが、黒色やピンク色の白タクもあります。白タクとは、法律上認められていない自家用車をタクシーとしていること。見分け方は国ごとに違うので一概には言えませんが、「車内に営業許可証を表示していない」「料金メーターがない」「表示灯がない」というのは、確実に白タクでしょう。ただガイドが乗ってしまった白タクには、メーターがありました。メーターを一切動かさずに法外な料金を請求してきましたが……。タクシーをつかまえる前に、外観がタクシーらしいか、乗り込む前に、営業許可証を表示しているか等をチェックするようにしましょう。走っているタクシーをつかまえる
大荷物を抱えた旅行者を見るなり声をかけてくる、いわゆる客引きタクシーには乗らず、走っているタクシーをつかまえるようにしましょう。地元の人が降りようとしているタクシーがあればベストです。少なくとも、法外な値段で観光客だけを乗せることを生業にしているドライバーではないですから。もちろん、空港から移動手段がない場合や大荷物の場合はタクシーを利用せざるを得ません。その場合でもまずは空港の案内所に行き、タクシー乗り場もしくはタクシーへの乗り方を教えてもらいましょう。近年、空港に出入りするタクシーを取り締まる国も多くなっています。空港の窓口で事前に行き先を伝え、タクシーチケットを購入することで、トラブルを減らそうという国もありますから。メーターが動いているか、確認する
タクシーをつかまえて行き先を告げたら、まずすることはメーターを入れてもらうか、値段交渉をするかです。トラブルにあう多くの場合は、どちらもせずに、目的地に到着してから値段に文句を言ったり、メーターが入っていなかったことに気づくからです。ガイドはメーターがついていれば基本的にメーターを入れてもらいます。ただし、走り出しても一向にメーターのボタンを入れないこともありますので、その場合はすかさず「メーター!」と叫べば問題ありません。ただし体験談で紹介したように、メーターを入れてもらってもぼったくられることもありますので、その国に応じた手口を事前に勉強して注意を払いましょう。だれかと待ち合わしている風を装う
これは特に女性一人旅の場合、ガイドがやっている護身術のひとつです。タクシーに乗ったらいつも、「今から行くところに、友だちが待っている」風を装います。あくまで、「ふう」です。はじめて?誰と来たの?と話しかけてくるドライバーであれば口頭で言いますし、物静かなドライバーだった場合は、携帯電話を取り出して、友だちと話している風を装います。これは万が一、目的地とは違うところに連れて行こうとされた場合、「目的地には友だちが待っていて、目的地に私が着かないと、不審がられますよドライバーさん」ということを暗に匂わせます。嘘も方便ですから。いかがでしたか。ここではタクシートラブルにあわないために気をつけることをご紹介しましたが、あくまでもぼったくられないためのものではありません。ついつい、ぼったくられたくないという思いが先行します。かく言うガイドもそうです。でも一番大切なのは命なので、料金交渉はできる範囲でおこない、お金で解決できるところは、お金で解決する。そのくらいの気持ちで、旅を楽しみましょう。