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家計の金融資産は過去最高更新!どうして増えた?

2015年3月18日に日本銀行から「資金循環統計」が発表されました。前年同期比の増加は17四半期連続となり、2014年12月末の家計の金融資産の総額は1694兆円となっています。昨年末時点の家計の金融資産の内訳を見ていくことにしましょう。

深野 康彦

執筆者:深野 康彦

お金の悩みに答えるマネープランクリニックガイド

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家計の金融資産は1700兆円に迫る

みんなの金融資産は増えた?減った?

みんなの金融資産は増えた?減った?

資金循環統計は、日本銀行が四半期(年4回)ごとに公表する統計データです。調査対象期間末から約3ヵ月後に速報値が発表され、確定値はその約3ヵ月後、つまり調査対象期間末から約6ヵ月後になることから、私たちの家計管理とは大幅なタイムラグがあることは否めませんが、過去を振り返る、または全体の流れを知るには十分参考になるデータです。

2015年3月18日には、2014年10~12月の資金循環統計が発表されました。2014年12月末時点の家計が保有する金融資産は1694兆円となり、過去最高を更新しました。2013年末と比較すると、1年間で3%の増加に過ぎませんが、金額に直せば50兆円もの大幅な増加となっています。アベノミクスが始まったのが2012年12月ですが、始まって以降の四半期ごとの資金循環統計では最高の増加額、で2年間では100兆円を超える増加となっています。

物価の上昇により実質賃金は減少していますが、名目賃金は増加傾向にあること。投資信託などへの資金流入に加え、円安・株高による保有資産の値上がりのほか、NISA(少額投資非課税制度)も金融資産増に貢献したのかもしれません。

投資信託の二桁増は続く

家計の金融資産1694兆円の内訳を見ていくことにしましょう。

金融資産の増減は?

金融資産の増減は?


資産構成比では5.5%、資産残高では92兆円しかありませんが、投資信託の増加が際立っています。2013年よりは増加の勢いが鈍化しているとはいえ、二桁増は継続しています。この調子で行けば、2015年中には資産残高が100兆円に乗せるかもしれません。

株式・出資金も順調に増加していると言えますが、増加率は2014年7~9月期と比較すると1.6ポイントも鈍化しています。年末にかけて日本株が上昇したことから、個人投資家は利益確定に動いたとよく言われますが、資金循環統計のデータからもその行動が裏づけられた気がします。ただ、株式の増加率は2014年に入ってから一貫して低下傾向にあることが気になるところです。

原油安により物価の上昇に急ブレーキがかかったからか、冬のボーナスが増加したからか、現金・預金の増加率は2014年7~9月期より0.2ポイント増えています。資産構成比は52.5%、資産残高は890兆円となり、900兆円が視野に入りつつあります。現金・預金の増加率は低いながらも前年比プラスが続いていることを考えれば、貯蓄から投資へとはなかなか進んでいないようです。

資産構成比、資産残高で2番目に多い保険・年金準備金も増加率が鈍化しています。長期金利の低下を反映して、一時払い養老保険や定額個人年金保険などの貯蓄型保険の販売が停止されていることが影響しているのかもしれません。

円安により外貨建て資産も大幅増

円安が進行したことから外貨建て資産も大幅に増加しています。外貨預金、外貨建投資信託、外貨建対外証券投資の合計は、2014年12月末で46.2兆円となっています。同年9月末と比較して3.1兆円の増加となり、2008年6月以来の資産割合となっています。円安の進行により保有している外貨建て資産の円換算の額が膨らんだことがその要因のようです。

内訳をみると、外貨預金の残高はアベノミクスが始まって以来6000億円減少している反面、外貨建投資信託は4.5兆円も残高を増やしています。また、外貨建対外証券投資も残高を4.8兆円増加させています。

家計の金融資産額が過去最高を更新したことから各資産とも増加していますが、唯一減少しているのが債券になります。長期金利の低下により新窓販国債の一部の発行が停止されたり、また好条件の債券がほとんど発行されないことから、満期償還を迎えた資金は他の金融商品に流れてしまっているようです。

大まかな資金の流れになりますが、2014年12月末の皆さんの家計の金融資産残高は過去最高額を更新していますか。


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