鉄道/鉄道デビュー・開業情報

首都圏縦断新ルート「上野東京ライン」開通

2015年3月14日、北陸新幹線開業と同じ日に、首都圏を南北に貫くJRの新たな動脈「上野東京ライン」が開業。東海道本線と高崎線、東北本線(宇都宮線)が相互直通運転を開始、さらに常磐線も一部の列車ではあるが、特急と普通列車、快速電車が品川までの乗り入れを始めた。従来からの湘南新宿ラインと合わせ2本の動脈が首都圏を縦断することとなり、移動の利便性が高まることになった。

野田 隆

執筆者:野田 隆

鉄道ガイド

復活した上野駅と東京駅を結ぶ在来線の連絡線

東海道線熱海行き

東海道線熱海行きが上野駅から発車


東京駅と上野駅を結ぶ在来線は、1983年1月まで回送線として存在し(一部区間は単線)、1973年までは特急など定期列車が走り、その後も臨時列車や回送列車が走っていた。しかし、東北・上越新幹線を上野駅から東京駅まで延伸する際に用地がなかったため、この路線は廃止、回送列車は山手貨物線(埼京線などが走る)経由で都心を半周して迂回することとなった。

今回、一部の区間を新幹線のほぼ直上に敷設することで約30年振りに復活、定期列車の東京駅乗り入れは42年振りである。以前とは異なり特急列車のみならず、普通列車が大々的に直通運転を行うことになった。


上野東京ラインの概要

上野駅6番線の駅名標

上野東京ラインのルートを示した上野駅6番線の駅名標


上野駅と東京駅を結ぶための工事区間は3.8km、所要時間は5分程度である。上野駅は、行き止まりの地平ホームはそのままで、5番線から9番線までの高架ホームの線路が「上野東京ライン」に利用される。従来から、列車の留置線として秋葉原付近までは線路が延びていたので、それを改良し、その先の1.3kmが新設区間となる。

線路脇の勾配標

秋葉原付近で見つけた線路脇の勾配標


総武線の高架駅をくぐった直後から、35‰(パーミル)の急勾配で一気に駆け上がり、神田駅付近で東北・上越新幹線の高架橋のほぼ真上に設けられた高架(二層高架)を600mほど進む。その後、再び35‰で急降下し、首都高速道路の高架下をくぐって東京駅に従来からあった東海道本線ホームに到着する。

急勾配を下って東京駅へ進入する電車

急勾配を下って東京駅へ進入する電車


上野東京ラインの車窓から

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上野東京ライン、神田付近の車窓動画

車窓を楽しむなら、東京駅から上野駅へ向かう電車、それもグリーン車の2階席進行方向左側がよい。山手線と京浜東北線、それに神田までは中央線の線路が並走しているので、広々とした感じである。一方、右側は高架際までビルが立ち並び、圧迫感があり、あまり開けた車窓は楽しめない。

神田駅を見下ろすように上野方面へ向かう

神田駅を見下ろすように上野方面へ向かう


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