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開業90周年!路面電車の生き残り「東急世田谷線」(2ページ目)

都電荒川線と並んで都内を走る路面電車として人気の東急世田谷線は、1925年の開業から2015年で90周年を迎える。道路を走る区間はないけれど、車両は路面電車タイプのものが使用され、独特の雰囲気がある。沿線に松陰神社があることから、吉田松陰の登場するNHK大河ドラマ「花燃ゆ」ラッピング車両を走らせ、話題となっている。そんな世田谷線の近況をレポートしよう。

野田 隆

執筆者:野田 隆

鉄道ガイド

吉田松陰ゆかりの松陰神社とラッピング電車

ラッピング電車

松陰神社前駅に停車中のラッピング電車


次の松陰神社前は、その名の通り幕末に生きた吉田松陰を祀った松陰神社の最寄り駅。踏切を渡って、商店街を北に数分歩くと神社がある。吉田松陰の墓や像、それに彼が教えた松下村塾を復元した建物(山口県萩市にあるものを模したもの)などがある。
松陰神社

松陰神社

松下村塾

松陰神社内にある松下村塾の建物


世田谷区役所が近く、ボロ市開催時には最寄り駅となる世田谷駅の次が上町。小さな車両基地のある世田谷線の要衝である。ここで、2015年2月末に、前述した「花燃ゆ」ラッピング電車の出発式があり、吉田松陰役の俳優伊勢谷友介さんが参加。トークやテープカットを行い、報道陣に公開された。ラッピングは外観のみで、車内は一般の車両と特に変わったところはない。
花燃ゆラッピング電車の出発式

花燃ゆラッピング電車の出発式

伊勢谷友介さん

ポーズをとる俳優の伊勢谷友介さん


次の「宮の坂駅」のホームに隣接して、緑色の旧型車両が1両展示されている。かつて世田谷線で活躍し、その後長らく江ノ島電鉄(江ノ電)で働いていたものが里帰りして、ここで休んでいるのだ。車内を見学することもできる。
元江ノ電601号

江ノ電から古巣に戻り、宮の坂駅前で保存中の601号



小田急や京王ともつながりアクセス良好な世田谷線

住宅地を走る世田谷線

松原~下高井戸の住宅地を走る世田谷線


このあたりから駅間距離が700~800mと若干広くなる。次の山下は小田急線の高架下をくぐった先にあり、小田急の豪徳寺駅と隣接し、乗り換えが可能だ。ただし、招き猫や井伊直弼の墓がある豪徳寺そのものは先の宮の坂駅が近い。
たまでんカフェ

山下駅にある「たまでんカフェ」。グッズも多数販売中


住宅地を走り、松原を経て世田谷線は終点の下高井戸駅に到着。京王線への乗換駅でもある。世田谷線は短いながらも沿線にいくつかの名所があり、また洒落たカフェやレストランも多い。電車が眺められることをウリにしているお店もあるので、ちょっとした街中散歩にも適した路線である。なお、世田谷線には一日乗り放題となる「世田谷線散策きっぷ」(大人330円、こども170円)がある。3回乗車すればおトクになるので、利用価値は高い。

<参考>
世田谷線散策きっぷ&沿線情報(東急電鉄の公式サイト)

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