アップルがニューヨークダウの構成銘柄に
ダウ採用後も、アップルはその輝きを維持できるのか!?
銘柄の選定は企業の評判や内容、業績、投資家との関連性などから決定され、数量的な条件はありません。しかし、株価は1つのポイントになります。ニューヨークダウ工業株30種平均指数は時価総額加重平均ではなく、単純株価平均指数です。したがって、見た目の株価が高い銘柄は影響度が突出してしまうため採用が難しいのですが、同社は株式分割を実施して、その障害は取り除かれていました。
一般的に、ハイテク株はダウに採用されれば、その成長はピークを超したと言われます。実際のところ、マイクロソフトやシスコ、インテルなどは実際そうなってきました。ではアップルもそうなってしまうのでしょうか?
スティーブ・ジョブ氏復帰後の軌跡
ここでアップルの軌跡を確認したいと思います。アップルが時価総額世界一となる約80兆円企業へと進むきっかけとなったのは、創業者である故スティーブ・ジョブズ氏の会社復帰でした(1996年末)。当時負け組と言われた低価値の会社が、そこから10数年で世界一の会社と変革されてきた模様を、月足株価と世界を変えた製品と合わせて時系列でまとめてみました。ジョブズ氏が復帰した直後の株価は、分割された現在の株価に調整して僅か46セントに過ぎませんでした。同氏の復帰後の最初の仕事は、当時斬新なデザインで話題となった「iMac」シリーズのコンピューターでした(1998年)。 2000年にCEOに任命されたジョブズ氏は、その後のアップルの方向を決める最初の「iPod」を2001年に発表しました。それでも株価は今の120分 の1というレベルでしばらく推移します。アップル株が飛躍し始めたのはiTunes(ミュージックストア)が2003年にサービス開始され、 iPodが小型化されて04年のクリスマスショッピングで話題沸騰の商品となった頃からでした。この頃同社の売上は、iPodによって初めて1兆円を突破します(2015年は26兆円規模に)。株価も2ドル台から10ドルへと舞い上がって行く時でした。
次の決定的なブレークスルーは、2007年に発売された初代iPhoneでした。この登場によって人々の生活にスマホが深く関わるようになっただけでなく、 同社の売上・利益規模を飛躍的に上昇させました。一個200ドル程度のiPodから600ドルもするiPhoneに売れ筋が変わったことで大幅単価アップ され、さらにiPod以上の個数が売れたので、利益率も大幅に増しました。さらに10年には同じく高額商品であるiPadも加わり、アップルというブラン ド価値向上によって1,000ドル以上するMacのパソコンも売れて行きました。こうして同社の企業価値(時価総額)はエクソンモービルを超え、世界最大の時価総額を誇るように成ったわけです。
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