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ED治療薬はどのようにはたらくの?

ED治療薬は文字通り、ED治療の第一選択とされるほど、信頼性も安全性も高い薬です。そして、多くの悩める男性に希望の光をもたらしています。しかし、その薬が体のどの部分にどのようにはたらき、勃起を手助けするのかというメカニズムはよく説明されていないようです。ED治療薬の種類が異なっても、効き方は基本的に同じです。お世話になっている人もこれからなる人も、ED治療薬の基礎の基礎を学びましょう。

提供:東和薬品

執筆者:All About 編集部

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性交時の勃起を支えるのは「海綿体の内圧」

EDは「性交時に必要な勃起が得られないため、あるいは十分な勃起が維持できないため、満足な性交を行えない状態」をいいます。それを治すED治療薬は、陰茎が勃起しようとするのを助け、勃起を持続させる薬です。

では、肝心の「勃起」はどのように起きるのでしょうか。ここでおさらいしておきましょう。

始まりは、脳が性的に興奮することです。視覚や聴覚、嗅覚、触覚、空想などさまざまな要素が引き金になります。これらのいくつかが組み合わさることもあります。脳の興奮は脊髄を経て、陰茎の勃起神経に伝えられます。

興奮を伝えられた勃起神経は、先端部から一酸化窒素(NO)を放出し、陰茎海綿体の平滑筋細胞内で、サイクリックグアノシン1リン酸(cGMP)という神経伝達物質をつくります。cGMPは陰茎動脈を広げ、平滑筋を緩めることで、陰茎海綿体に大量の血液が流れ込むようにします。こうして勃起が起こります。

陰茎海綿体内部の圧力は、勃起していない時には10mmHgほどですが、勃起時には60~80mmHg以上になるといわれています。「性交時に必要な勃起」は、この内圧が支えているのです。
 

勃起を妨げる酵素の存在

NOの産生を助け、PDE-5を抑え込んで勃起を助けるのがED治療薬の役目

NOの産生を助け、PDE-5を抑え込んで勃起を助けるのがED治療薬の役目

しかし、勃起に深く関わる陰茎海綿体の平滑筋細胞には、ホスホジエステラーゼ・タイプ5(PDE-5)という酵素が存在します。やっかいなことに、この酵素にはcGMPを分解するはたらきがあるのです。

cGMPが効かなくなると平滑筋が縮み、血液が流入しにくくなります。このため、勃起が起こらなくなるか、起こってもすぐに萎えてしまう現象が起こります。これがEDです。

ED治療薬は、このやっかいなPDE-5のはたらきを妨げる作用をもっています。そのためこれらの薬剤はPDE-5阻害剤とも呼ばれています。

ほとんどのEDは、PDE-5の分泌量が多いか、あるいはcGMPの生産量が少ないことが原因と考えられており、PDE-5の働きを阻害(邪魔する)することが勃起の持続につながるのです。

ED治療薬は飲み薬ですから、全身を巡ります。それなのになぜ、陰茎の血管だけに効くのでしょうか。

実は、PDEにはいくつかの異なるタイプがあり、例えば、PDE-3は心臓の冠動脈にあります。ED治療薬はこのPDE-3にもはたらきますが、それよりもPDE-5に「選択的に」取り付き、そのはたらきを強く抑え込むのです。
 

自然な勃起を招くには性的興奮が必要

ED治療薬をうまくはたらかせるためにはパートナーの協力が何より

ED治療薬をうまくはたらかせるためにはパートナーの協力が何より

ED治療薬は、PDE-5のはたらきを抑えることでcGMPが分解されてしまうことを防ぎ、平滑筋細胞を緩ませて勃起を保たせようとします。しかし、陰茎が勃起するためには勃起神経がNOを放出し、それによってcGMPがつくられなければなりません。

ED治療薬はあくまでも、陰茎が勃起しようとするのを助け、持続させるために用いる薬ですから、ただ飲むだけで勃起が起こるわけではありません。いくらED治療薬を飲んでも、きっかけとなる性的な興奮がなければ勃起は起こらないのです。

考えてみると「性的に興奮していなければ勃起しない」「性的興奮を感じた場合だけ勃起する」というED治療薬の効き方は、時間を気にせず自然な状態でパートナーとの性行為を楽しむのに好都合ともいえます。

五感を総動員してパートナーに性的な魅力を感じたり、パートナーからほどよい性的刺激を受けたりして脳が興奮すれば、ED治療薬はうまくはたらいてくれるはずです。
 

持病によっては処方されないことも

勃起が起こるメカニズムやED治療薬が効く仕組みをおさらいすると、さまざまな要因が関わって導かれる「勃起の決め手」になるのはcGMP、そしてそれを邪魔するのがPDE-5、そのPDE-5のはたらきを抑え込むのがED治療薬ということになります。

ED治療薬はED治療の第一選択とされるほど安全で信頼性の高い薬です。しかし、それを用いることによるセックスは肉体的な負荷を伴うので、心臓や血管に障害がある人には処方されないことがあります。

極端な高血圧や低血圧の人、重い肝臓障害や網膜色素変性症の人には処方されません。自分が使えるかどうか不安な場合には、ED治療薬を処方している病医院や、ED啓発サイトで検索したクリニックなどで相談するとよいでしょう。

>>ED治療薬Q&A
>>ED治療薬を使うときの「4つの心得」

 
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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