1月末、大阪府警の現職警察官が交際中の女性を殺害する事件が起こった。彼女は彼を追って大阪へやってきて就職したものの、彼のほうはかねてからつきあっていた女性と昨年、結婚したという。それを彼女が知ったのは、なんとフェイスブックで。

女性

自分を見失う恋は危険

彼女は別れ話を持ち出した。そのとき彼に言われたのが、「おまえはオレのことがいちばん好きやんか。別れられへんやろ」という一言。この時点で、彼女はすべてを振り捨てて故郷に戻るべきだった。だが、これまでつきあってきた時間の積み重ねやいい思い出が、彼女をそうはさせなかったのか。別れられないまま大阪にとどまり、ついに彼女は最後通牒をつきつけた。
「奥さんや職場に言う」

もしかしたら、彼女は彼の心からの謝罪がほしかっただけかもしれない。そうすれば泣きながらでも、思い出を抱いて故郷に帰れたのかもしれない。

言葉の暴力を鵜呑みにしないで

好きだから、相手の言いなりになってしまう。相手の言うことをすべて受け入れてしまう。そんな経験は、誰にでもあるのではないだろうか。恋は思案の外である。

相手の言うことに必要以上に過敏になり、何でも鵜呑みにする。恋には、そんな危険性がある。

「私も恋愛で傷ついて、いまだにトラウマになっていることがあります」
エリカさん(29歳)が、過去の話をしてくれた。

「20歳のころ、8歳年上の男性とつきあっていたんです。私からみれば彼はとても大人で、博識で、彼の言うことは何でも正しいと思ってた。その彼が、私に『おまえはブスだから、きれいなワンピースは似合わない』『おまえは頭が悪いんだから、オレの友だちに会ってもしゃべるな』『おまえは育ちが悪い』と、今から思えば腹が立つようなことをいつも言っていたんですよ。でも当時の私は、それをいちいち真に受けて、なんとか彼にふさわしい人間になりたいとがんばっていた。がんばればがんばるほど、『ブスがそんなことしたって無理』と言われるんですけどね」

1年ほどつきあったころ、久しぶりに高校時代の友だちに会った。すると友だちは、エリカさんがあまりに暗い表情をしていることに驚いたのだそう。

「どうしたのって言われて……。彼女にすべて話したんです。彼女はものすごく憤慨して、『エリカをそのままで受け入れてくれないような男とは別れろ』って。『それはバカにされているだけなんだよ』と。他の友だちにも連絡してくれて、みんなに説教されました。なかなか友だちの言うことが理解できなかったけど、そういえば、私は高校時代、もっと毎日楽しい気持ちで過ごしていた、彼とつきあってからいつも彼の顔色をうかがってばかりいると、ようやく気づいたんです」

自分を悪く言う男を、どうして好きでいられるのか……。そこが恋の不思議なところで、好きだという思い込みが先に立って、「この人の言うことは絶対だ」と無条件に信じてしまうのだろう。

エリカさんは、思い切って彼に別れを告げた。彼は「おまえなんかと一緒にいられるのはオレだけなのに」「オレのことが好きなんだろ」と何度も言った。心がぐらぐら揺れたという。だが、友人たちに「洗脳を解いてもらった」彼女は、彼を振り切って帰った。

>>恋にどっぷりもいいけれど…