消毒薬にもたくさん種類がありますが、例えば爪切り・ピンセットなどの身の回りのもの(環境)に使う消毒薬と、人に使う消毒薬で異なります。ここでは環境消毒についてお話します。

「環境消毒」とは?

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衛生的な消毒のある暮らしを

「環境消毒」は、院内感染を防ぐ目的で行われています。家庭内では家族がノロウイルスにかかった場合、手すりやドアノブなどの接触感染をおこしやすい箇所や、水虫の家族がいる場合の爪切り、スリッパなど、共有するものを消毒することによって他の家族への感染を防ぐのに使えます。哺乳瓶の消毒なども環境消毒のひとつです。

消毒をする際の最初の選択肢としては、「熱消毒」が挙げられます。殺菌に最も有効な方法は消毒方法なのです。様々な種類の消毒薬があるなかで、あまりにも身近な方法なので意外に思われるかもしれません。

たとえばO-157は70℃の熱水に1分ほどつけると菌の生存率は0.01%以下です。ノロウイルスの感染の可能性のある衣類なども、熱水につけるなどの熱消毒が有効です。熱で変形する心配のないものであれば、家庭用の食器乾燥機の使用も効果的です。

菌やウイルスが気になる方の中には“一番強力な殺菌力をもつ消毒薬”で殺菌したいと思う方もいるかもしれません。しかし、強い殺菌力を持つ消毒薬 (高水準消毒薬) は人にとっても毒性があります。

熱消毒ができない場合の第二の選択肢として、消毒薬を使いましょう。薬局で買える消毒薬には低水準~中水準の消毒薬が売られていますが、中水準の消毒薬で細菌にもウイルスにも十分対応できます。それぞれの消毒薬の特性を理解して消毒薬選びの参考にしてください。

環境消毒に使える消毒薬

次亜塩素酸ナトリウム:中水準消毒薬
ミルトンなど哺乳瓶の殺菌にも使われる消毒薬です。細菌だけでなくノロウイルスなどのウイルスにも有効です。次亜塩素酸ナトリウムはタンパク質と反応すると食塩となって、消毒薬自体は残りにくいので哺乳瓶の消毒にも安全に用いられます。ノロウイルスの感染のある衣類にも使えますが、色のあるものは色落ちしてしまうので注意してください。また、木質材質、金属にも適しません。木のてすりやテーブルや椅子などにはアルコールを用いましょう。プラスチックやゴム製品にも劣化作用の少ないアルコールを使うことをおすすめします。

アルコール(エタノール、イソプロパノール):中水準消毒薬
細菌だけでなくノロウイルスなどのウイルスにも有効です。エタノールとイソプロパノールがあり、酒税の関係で価格に差がありますが、どちらも多くの一般細菌に対してどちらも優れた即効性があります。日常に使う消毒であればイソプロパノールが経済的ですが、ノロウイルスに対しては濃度の高いエタノールを使用しましょう。エタノールの含有量は10~80%の商品があり、消毒効果は80%前後で最も高くなります。

塩化ベンザルコニウム界面活性剤:低水準消毒薬
一般細菌に有効で洗浄効果も期待できます。ウイルスの消毒にはアルコールや次亜塩素酸を使用しましょう。商品名としてオスバンなどがあります。

クレゾール
以前はよく使われていましたが、腐食性が強く環境面からもおすすめできません。次亜塩素酸、アルコールなどでの対応をおすすめします。


消毒薬は接触感染を起こす細菌やウイルスには有効ですが、例えば飛沫感染するインフルエンザウイルスには、適度な湿度を保つなど別の対策が必要です。予防したい特定の菌がある場合は、それぞれどのような経路で感染するのか確認して対策をたてましょう。また、ファブリーズやリセッシュなど除菌するものと消毒薬は異なるので、飛沫感染、空気感染を予防したい場合であっても、消毒薬を噴霧することは控えてください。

消毒薬の濃度、消毒時間などは決められたものがある場合はきっちり守りましょう。その他の詳しい使い方は店頭の薬剤師に相談しましょう。正しく消毒薬を使いわけて、衛生的な生活ができるといいですね。


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