火事のNG対処!やってはいけないこと5つ
マッチ一本火事の元、と言いますが……。火事を起こしてしまったらどうするか、事前に知っておきましょう
気温も低く、風の強い日もある春の時期は火事の多い季節でもあります。火事は災害の中でも一番身近なもの。「いざという時」に間違った対応をしてしまい、ボヤですむものが大きな火災にならないようにしたいですね。出火を防ぐために必要な知識や、火事にまつわるNG対応について、知っておきましょう。
<目次>
天ぷら油によるコンロ火災で、水を使うのはNG!
放火を除く、建物火災の出火原因で上位にくるのが「コンロ火災」です。特に「天ぷら油」を使っている場合の火災発生が多く見られます。油を使っているということから炎が大きくなる傾向があり、慌ててしまい、消火方法の間違えによってさらに状況を悪化させてしまうことがあります。また、調理と同時に複数の家事をこなしていた場合に、うっかり放置してしまって、高温となった油が自然発火してしまうというケースもあります。
消火方法の間違いの主なものでは「消火に水を使う」「水を含んだ野菜などを投げ入れる」などの行為ですが、これらは絶対にNGです。着火した高温の油に水が触れると、瞬間に蒸発した水の爆発現象が起き、火勢が広がり、周囲に高温の火の点いた油が飛び散る結果になります。濡れた布を火元にかぶせるというのは効果がありますが、水が垂れないよう、きちんと絞っておく必要があります。
なお、「マヨネーズなどを投入すると消火できる」という方法は、効果はありません。一番のおすすめは、必ずすぐ近くに「油火災対応」の消火器を用意して、すぐに初期消火できるようにしておくことです。
消火器ならなんでもOKと考えるのはNG
家庭用の消火器で「ABC粉末消火器」を用意しているご家庭は多いかと思います。これ以外に「ABC強化液消火器」「水消火器」などがあります。このABCとは「普通火災(木や紙)」「油火災(天ぷら油など)」「電気火災(漏電、電気機器の火災)」に対応するという意味です。「水消火器」は「油火災」「電気火災」には使用できません。また粉末消火器は消火力はありますが、一瞬で視界がなくなり、火元に正確に命中させる難しさがあります。また高温状態の油が再発火する可能性もあり、消火後の後始末が大変という欠点があります。
これに対し最近では「台所用消火器」と呼ばれる商品があり、油火災の初期消火に対し非常に効果的です。コンパクトでスペースをとらない、後始末が簡単(お酢を使ったものなど)などの長所があります。
集合住宅などでは廊下や屋外に消火器を設置している所も多いですが、それとは別に、各戸の台所に必ず初期消火用の小型消火器を用意しておくことで、集合住宅全体の火災リスクを下げることができます。
洗濯物の部屋干しに暖房機器はNG
天気が悪いとき、外に出したくない下着類などの乾燥に、部屋干しをする方は多いかと思います。しかし、スト―ブなどの電熱器の近くに衣類をかけたり、コタツの中に洗濯物を入れたりといった行為による火災発生は、後をたちません。出火原因の上位にくる「ストーブによる火災」は、その多くが周囲の物に触れることで火災が発生しています。コタツからの出火も、点けていることを忘れてしまっているケースもあり、コタツの中に詰めてあった衣類から出火してしまいます。
室内干しならば、エアコンの風向を真下に調整し、直下に衣類を置くなどして乾燥させましょう。風呂場に換気・乾燥などの機能が付いている場合は、風呂場で干すのが安全ですね。
マッチ・ライターを子供の手の届くところに置くのはNG
建物の出火原因として「火遊び」もあります。その多くが小さなお子さんによるもの。小さなお子さんはマッチなどによる「火遊び」に興味を持ちがちです。「火遊び」に対する教育をきちんと行っておくのはもちろん、マッチ、ライターなど火の点くものは小さなお子さんが簡単に取り出せないところに保管してください。共働き家庭など、子供に目が届かない時間帯がある場合は特に注意が必要です。子供だけで留守番をさせるときなどは、不幸な事故が起きないように万全の対策を行っておきましょう。
寝たばこはもちろんNG!
台所用消火器、右端はお酢の消火器
初期消火の限界は?
そしてもしも自宅で火災が発生した場合には極力、初期消火で食い止めるべきなのですが、火勢が天井や壁など広範囲に火が燃え移る状況になった場合は、一般の消火器程度では消せないと考えましょう。財産よりも人命を優先するため無理をせず、すぐに避難を考え屋外に脱出するようにしましょう。【関連記事】