ひとりで介護を背負い込まないために準備しておくべきポイント
■親の健康状態の把握健康診断の各種数値の結果や持病の有無など、まずは親たちの健康状態を正確に把握しておきましょう。併せて、歩く、話す、聞くなどの基本的な能力がどの程度衰えているのかも知っておくと役に立ちます。さらには普段の食事や日常生活の様子、家に引きこもっていないかどうかなどの交友関係も、要介護になりやすいか否かを知る需要な要素になります。
■介護の担い手の相談
かつては「長男の嫁だから」「専業主婦だから」などの理由で介護の担い手が決まることも多かったと思います。しかし昨今は、一人っ子であったり、逆に子供世代が全員共働きであったりなど、状況も変わってきています。性別や仕事の有無に関係なく、男性も含めた全員で介護を分担する心づもりが必要です。
また、状況によっては、介護施設の利用など、担い手を外部に求める選択肢も検討してみる必要があるでしょう。
■介護しやすい環境の整備
家の中がバリアフリーであるかどうかも大事な要素です。必要な個所に手すりをつけたり、お風呂や台所などの段差をなくすなど、高齢者にとって使いやすい家の環境にすることは、将来の介護が楽にできることはもちろん、高齢者の自立維持につながり、介護開始を遅らせる効果も期待できます。
■公的支援の情報収集
人手の面でも金銭面でも、利用できる公的サポートは最大限活用しましょう、そのための情報収集も、早めのスタートが肝心です。
■夫と供に情報収集
まずは「親の介護の現実」と素直に向き合うことができるよう、だんな様にも必要な知識や体験を積ませることが大切です。本を読んだり、体験者の話を聞くこともいいでしょう。地方自治体によっては無料の「家族介護教室」などを開いていますので、参加してみると同じ介護に悩む仲間がみつかることもあるかもしれません。
大切なことは、介護を妻一人で背負いこまないこと(妻がフルタイム勤務の場合は逆もあります)。また、だんな様に介護要員として当てにされないように事前の話し合いをすることです。60代で要介護になる方もいますし、昨日まで元気だった方が、突然倒れて今日から要介護、などという事態も発生します。妻が一人で頑張りすぎてストレスを夫にぶつけるという構図は結婚生活に悪影響を及ぼします。
介護=他人事でなく、できる準備は今から始めておきましょう。