ラグビー

東福岡が史上初の3冠。全国高校大会総括(3ページ目)

年末年始に近鉄花園ラグビー場で行われた全国高校大会、通称「花園」は、東福岡が圧倒的な強さで5回目の優勝を果たしました。これで東福岡は春の選抜大会、夏のアシックスカップ7人制大会と合わせて史上初の3冠を達成。大学と同じく1強ぶりが際立つ結果となりました。一方、そこに至るまでの歩みには、他のチームに参考になる部分も多くありました。大会全体の傾向や印象と合わせて、お話ししたいと思います。

中竹 竜二

執筆者:中竹 竜二

ラグビーガイド

従来の高校生の枠を超えた東福岡
これを見本に、日本全体のレベルアップを

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優勝後、喜びを爆発させる東福岡の選手たち。従来の高校ラグビーの枠を超えるパフォーマンスを披露した (C)JRFU 2015, photo by RJP Kenji Demura

今回の東福岡は、これまでの高校ラグビーの次元を超えるようなチームだったと言えます。そしてこれは、日本のラグビー界にとって非常に大きな出来事です。あれほどのチームが出現し、それを目指して他のチームが切磋琢磨することで、日本の高校ラグビーのレベルはどんどん上がっていくはずです。

今シーズンの東福岡は、グラウンドでのラグビーの練習を思い切って減らし、そのぶん体づくりやチームビルディングなどそれ以外の重要な要素に取り組みました。藤田雄一郎監督はリーダーと相談した上で事前に月のスケジュールと週のスケジュールを選手に提示し、その中には「ここはオフにするから、友達や彼女と過ごす時間にしてほしい」といったことも含まれていたそうです。

こうしたチーム作りは日本のスポーツ界において画期的であり、ラグビーに限らずすべての競技の指導者が参考にすべき成功例だと思います。

時代の流れにおけるラグビーの変化をいち早くキャッチし、いい練習を重ねて、いいコンディションで大会に望む。それによって今回の東福岡は高校ラグビー史に残る優勝を果たしました。素晴らしい見本ができたわけですから、ぜひ多くのチームでそうした取り組みを取り入れ、東福岡を追い越すチームが数多く現れることを願っています。
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