従来の高校生の枠を超えた東福岡
これを見本に、日本全体のレベルアップを
今回の東福岡は、これまでの高校ラグビーの次元を超えるようなチームだったと言えます。そしてこれは、日本のラグビー界にとって非常に大きな出来事です。あれほどのチームが出現し、それを目指して他のチームが切磋琢磨することで、日本の高校ラグビーのレベルはどんどん上がっていくはずです。今シーズンの東福岡は、グラウンドでのラグビーの練習を思い切って減らし、そのぶん体づくりやチームビルディングなどそれ以外の重要な要素に取り組みました。藤田雄一郎監督はリーダーと相談した上で事前に月のスケジュールと週のスケジュールを選手に提示し、その中には「ここはオフにするから、友達や彼女と過ごす時間にしてほしい」といったことも含まれていたそうです。
こうしたチーム作りは日本のスポーツ界において画期的であり、ラグビーに限らずすべての競技の指導者が参考にすべき成功例だと思います。
時代の流れにおけるラグビーの変化をいち早くキャッチし、いい練習を重ねて、いいコンディションで大会に望む。それによって今回の東福岡は高校ラグビー史に残る優勝を果たしました。素晴らしい見本ができたわけですから、ぜひ多くのチームでそうした取り組みを取り入れ、東福岡を追い越すチームが数多く現れることを願っています。